問102 軽減税率制度の実施後、「店内飲食」と「持ち帰り」とで税率が異なりますが、消費者に対する価格表示はどのようにしたらよいですか。

【答】
平31年(2019年)10月1日からの軽減税率制度の実施に伴う価格表示について、適切な価格表示を推進し、事業者間の公正かつ自由な競争を促進するとともに、一般消費者の適正な商品又は役務の選択を確保することを目的として、関係省庁連名で、平成30年5月18日付「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」(消費者庁・財務省・経済産業省・中小企業庁)が公表され、同一の飲食料品の販売につき適用される消費税率が異なる場面における小売店等の価格表示の具体例等が示されています。

 

公表されている内容は、事業者の皆様に対して、現時点において価格表示として考えられる方法の具体例等を示しているものですので、事業者の皆様の事業の実情に応じ、「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」を参考にどのような価格表示を行うのか、ご検討ください。

 

(参考)
1 消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について(消費者庁・財務省・経済産業省・中小企業庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/consumption_tax/pdf/consumption_tax_180518_0002.pdf

 

2 消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について(抜粋)

第2 具体的な表示方法等
1 事業者がどのような価格設定を行うかは事業者の任意である。その上で、テイクアウト等(軽減税率)及び店内飲食(標準税率)で異なる税込価格(消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)を含めた価格をいう。以下同じ。)を設定する場合における価格表示方法としては以下の2つの方法が考えられる。

 

○ テイクアウト等及び店内飲食の両方の税込価格を表示する方法

 

事業者の判断※により、テイクアウト等及び店内飲食の両方の税込価格を表示することが考えられる。なお、両方の税込価格に併せて、税抜価格(消費税等を含まない価格をいう。以下同じ。)又は消費税額を併記することも認められる。

 

※ 事業者の判断の具体例としては、例えば以下のようなものが想定される。

〇「テイクアウト等」と「店内飲食」が同程度の割合で利用される場合において、テイクアウト等と店内飲食の選択における消費者の価格判断を行う際の利便性を向上するなど

 

(具体例)
外食事業者のメニュー表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

イートインスペースのある小売店等の商品棚における価格表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

○ テイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示する方法

 

事業者の判断※により、テイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示することが考えられる。

 

※ 事業者の判断の具体例としては、例えば以下のようなものが想定される。

○「テイクアウト等」の利用がほとんどである小売店等において、「店内飲食」の価格を表示する必要性が乏しい
○「店内飲食」の利用がほとんどである外食事業者において、「テイクアウト等」の価格を表示する必要性が乏しい
○「テイクアウト等」と「店内飲食」両方の価格を表示するスペースがないなど

この点について、消費税法(昭和63年法律第108号)第63条では、総額表示義務として、不特定かつ多数の者に対してあらかじめ商品や役務の価格を表示するときに、税込価格を表示することが義務付けられているが、当該義務は、あらかじめ価格を表示しない場合にまで課されるものではないことから、テイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示し、もう片方の税込価格を表示しない場合であっても、同条の規定には違反しない。

 

しかしながら、店内飲食の場合には適用税率が異なるため、テイクアウト等の場合よりも店内飲食のほうが税込価格が高いにもかかわらず、テイクアウト等の場合であることを明瞭に表示せず、その税込価格のみを表示している場合には、一般消費者に店内飲食の価格が実際の価格よりも安いとの誤認を与えてしまい、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)第5条第2号の規定により禁止される表示(有利誤認)に該当するおそれがある。

 

また、一般消費者にとって価格表示は、商品又は役務(サービス)の選択上最も重要な販売価格についての情報を得る手段であるという点を踏まえると、テイクアウト等と店内飲食との間で税込価格が異なる場合は、事業者は、顧客の意思表示により異なる税率が適用され、税込価格が別途計算されることがあり得る旨、店舗内の目立つ場所に掲示するなどの手段により、一般消費者に対して注意喚起を行うことが望ましい。

 

(具体例)
外食事業者のメニュー表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

イートインスペースのある小売店等の価格表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

(参考)外食事業者やイートインスペースのある小売店等において、適用税率を判定するための顧客への意思確認については、例えば、小売店等では「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」、外食事業者では「テイクアウトの場合はお申し出ください」といった掲示により行うなど、営業の実態に応じた方法で行うこととして差し支えないものとされている。
「異なる税率が適用される旨」の掲示についても、上記意思確認の掲示と併せて表示することが可能となる。

 

2 事業者がどのような価格設定を行うかは事業者の任意である。そのため、軽減税率が適用されるテイクアウト等の税抜価格を標準税率が適用される店内飲食より高く設定、又は店内飲食の税抜価格を低く設定することで同一の税込価格を設定することも可能である※。その場合における価格表示方法としては以下の方法が考えられる。

 

※ 具体的には、

テイクアウト等の税抜価格 :102円(8%)→ 110円(税込価格)
店内飲食の税抜価格 :100円(10%)→ 110円(税込価格)

○ 一の税込価格を表示する方法

 

事業者の判断※により、テイクアウト等及び店内飲食の税込価格が同一になるようにテイクアウト等の税抜価格を高く設定、又は店内飲食の税抜価格を低く設定した上で、当該一の税込価格を表示することが考えられる。

 

※ 事業者の判断の具体例としては、例えば以下のようなものが想定される。

○ テイクアウト等の税抜価格を上げる例
 ・「出前」について、配送料分のコストを上乗せする
 ・「テイクアウト」について、箸や容器包装等のコストを上乗せする
○ 店内飲食の税抜価格を下げる例
 ・「店内飲食」について、提供する飲食料品の品数を減らす
 ・「店内飲食」の需要を喚起するため
○ 従業員教育の簡素化や複数の価格を表示することに伴う客とのトラブル防止に資するなど

(具体例)
外食事業者のメニュー表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

イートインスペースのある小売店等の商品棚における価格表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

(参考)両方の税込価格が仮に同一であったとしても、適用税率が異なることに変わりはないことを踏まえると、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、以下の点に留意する必要がある。

 

@ 「全て軽減税率が適用されます」といった表示や、「消費税は8%しか頂きません」といった表示を行うことは、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(平成25年法律第41号。以下「消費税転嫁対策特別措置法」という。)や景品表示法により禁止されている。

 

A テイクアウト等の価格を店内飲食に合わせて値上げする場合には、消費者から問われた際に、先に挙げた具体例も参考にしつつ、合理的な理由を説明することが考えられる。

 

(参考) 税抜価格を表示する方法(平成33年(2021年)3月31日まで)

 

消費税転嫁対策特別措置法第10条第1項においては、現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置(以下「誤認防止措置」という。)を講じているときに限り、同法が失効する平成33年(2021年)3月31日までの間、消費税法第63条に規定する総額表示義務の特例として、税込価格を表示することを要しないこととされている。
その際、現行の誤認防止措置に加え、次に掲げる場合にはそれぞれ、以下の対応を行うことが望ましい。

 

@ 税抜価格とともに消費税額を表示する場合
テイクアウト等と店内飲食との間で、適用税率が異なるため、両方の消費税額を表示する(又は、一定の注意喚起とともに、どちらか片方のみの消費税額を表示する。)。

 

A 税抜価格のみを表示する場合
一般消費者の適正な商品又は役務の選択を確保する観点から、店舗内の目立つ場所に、テイクアウト等と店内飲食との間で適用税率が異なる旨について掲示するなどの方法により、一般消費者に対して注意喚起を行う。

 

(具体例)
外食事業者のメニュー表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

イートインスペースのある小売店等の価格表示
価格表示の方法,消費税軽減税率,西宮市,税理士

 

出所:国税庁

 

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