問17 税率の異なるごとに取引を区分することが困難な中小事業者に対する売上税額の計算の特例(経過措置)の概要を教えてください。
【答】
軽減税率制度の下で求められる区分経理に事業者が円滑に対応できるよう、課税売上げ(税込み)を税率ごとに区分して合計することが困難な中小事業者は、経過措置として、次に掲げる方法により売上税額を計算する特例が認められています(改正法附則38@AC)。
@ | 小売等軽減仕入割合の特例 |
課税仕入れ(税込み)を税率ごとに管理できる卸売業又は小売業を営む中小事業者は、当該事業に係る課税売上げ(税込み)に、当該事業に係る課税仕入れ(税込み)に占める軽減税率対象品目の売上げにのみ要する課税仕入れ(税込み)の割合(小売等軽減仕入割合)を乗じて、軽減対象資産に係る課税売上げ(税込み)を算出し、売上税額を計算できます。 | |
A | 軽減売上割合の特例 |
課税売上げ(税込み)に、通常の連続する10営業日の課税売上げ(税込み)に占める同期間の軽減税率対象品目の課税売上げ(税込み)の割合(軽減売上割合)を乗じて、軽減対象資産に係る課税売上げ(税込み)を算出し、売上税額を計算できます。 |
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B | 上記@・Aの割合の計算が困難な場合 |
上記@・Aの割合の計算が困難な中小事業者であって、主として軽減税率対象品目の譲渡等を行う事業者は、これらの割合を50/100とすることができます。 |
これらの経過措置を適用できる期間は、平成31年(2019年)10月1日から平成35年(2023年)9月30日までの期間(上記@の小売等軽減仕入割合の特例については、簡易課税制度の適用を受けない期間に限ります。)とされています。
(注)1 | 平成28年11月の税制改正により、中小事業者以外の事業者の方には、税額計算の特例は措置されないこととされています。 |
2 | この特例を適用できる期間は、「平成29年4月1日から平成33年(2021年)3月31日までの期間」から「平成31年(2019年101日から平成35年(2023年)9月30日までの期間」に変更されています。 |
《売上税額の計算の特例の一覧》
区 分 |
@ 課税仕入れ(税込み)を税率ごとに管理できる卸売業・小売業を営む中小事業者 【小売等軽減仕入割合の特例】 |
A @以外の中小事業者 【軽減売上割合の特例】 |
B @・Aで使用する 割合の計算が困難な中小事業者(注) |
内 容 |
卸売業・小売業に係る課税売上げ(税込み)に小売等軽減仕入割合を乗じた金額を軽減税率対象品目の課税売上げ(税込み)とし、売上税額を計算する。 |
課税売上げ(税込み)に軽減売上割合を乗じた金額を軽減税率対象品目の課税売上げ(税込み)とし、売上税額を計算する。 |
@・Aの計算において使用する割合に代えて50%を使用して、売上税額を計算する。
(注) 主に軽減税率対象品目を販売する中小事業者が対象。 |
適 用 対 象 |
以下の期間において行った課税資産の譲渡等 平成31年(2019年)10月1日から平成35年(2023年)9月30日までの期間 |
出所:国税庁