正当な理由による対価の増減

資産の貸付けの税率等に関する経過措置が適用される資産の貸付けについて、31年指定日(平成31年4月1日)以後に賃貸人が修繕義務を履行しなかったことを理由に賃貸料を減額した場合、この経過措置が適用されることになるのですか。

 

資産の貸付けの税率等に関する経過措置は、26年指定日(平成25年10月1日)から31年指定日の前日(平成31年3月31日)までの間に締結した契約に基づき、31年施行日(平成31年10月1日)前から31年施行日以後引き続き行われる資産の貸付けのうち、一定の要件を満たすものに適用されますが、31年指定日以後に資産の貸付けに係る対価の額が変更された場合には、その対価の額を変更した後の貸付けについて、この経過措置を適用することができないこととされています(改正法附則5Cただし書、16@)。

 

これは、資産の貸付けに係る契約においてその対価の額について変更を求めることができる旨の定めがないとしても、諸般の事情が生じたことにより、当該対価の額が変更された場合には、それにより、事実上、新たな貸付契約が締結されたと同視し得ることから、その変更後の貸付けに係る対価の額の全額について経過措置の対象としないこととするものです。

 

この場合の対価の額の変更には、増額することのほか減額することも含まれますが、その対価の額の変更が、例えば、賃貸人が修繕義務を履行しないことにより行われたものであるなど、正当な理由に基づくものである場合にまで、新たな貸付契約が締結されたと同視するのは適当ではありません。

 

したがって、その対価の変更が正当な理由に基づくものである場合には、その対価の変更につき、資産の貸付けの税率等に関する経過措置が適用されないこととなる「当該資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合」に該当しないものとして取り扱われます(31年経過措置通達19)。

 

なお、物価変動、租税公課等の増減を理由とする対価の額の変更は、正当な理由に基づくものには該当しません。

 

出所:国税庁

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