申請届出手続の簡素化

申請届出手続の簡素化

令和8年11月1日から導入されるリファンド方式について、国税庁が公表しているQ&Aを随時紹介しています。

問6 リファンド方式において、申請届出手続が簡素化されるとのことですが、その概要について教えてください。

 

おはようございます。今日はちょっと気にかかっていました「リファンド方式における申請届出手続きの簡素化」について、もう少し詳しく説明しましょうか。

 

おはようございます!ぜひお願いします。クライアント企業からも質問が来ていて、特に手続きがどう変わるのか知りたいんです。

 

そうですね。リファンド方式への移行に伴って、申請・届出手続きが大きく変わります。主に3つのポイントがあるので、順番に見ていきましょう。

 

はい、お願いします!

 

まず1つ目は「輸出物品販売場の移転手続きの簡素化」です。現行制度では、販売場を移転する場合はどうしないといけなかったか覚えていますか?

 

確か、移転前の場所の廃止届を出して、移転後の場所で新たに許可を取り直す必要があったと思います。

 

その通りです。これが結構手間だったんですよね。でも、新しいリファンド方式では大きく変わります。移転する日の前日までに「輸出物品販売場等変更届出書」を提出するだけでOKになります。許可はそのまま引き継げるんです。

 

え、それだけでいいんですか?これは本当に便利になりますね!でも、完全に別の場所に新しく店舗を出す場合はどうなりますか?

 

良い質問ですね。その場合は従来通り、古い販売場の廃止届を出して、新しい販売場について改めて許可申請が必要です。あくまで「移転」の場合の簡素化なので、その点は注意が必要です。

 

なるほど、区別が大事なんですね。

 

次に2つ目のポイント、「申請届出書の様式の統合」です。現行制度では販売場の区分ごとに様式が分かれていましたよね?

 

はい、一般型、手続委託型、自動販売機型...とそれぞれ別々の様式でした。担当するクライアントによって使い分けるのが少し面倒でした。

 

そうでしたね。これが新制度ではすべて統合されます。区分ごとに分かれていた様式が一本化されるんです。さらに、「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」も廃止されて許可申請書に統合されます。

 

それは助かります!でも変更届はどうなりますか?結構種類が多くて...

 

変更届についても同様です。現行制度では変更内容によって別々の様式を使っていましたが、これも一つの届出書に統合されます。「輸出物品販売場等変更届出書」一つで対応できるようになります。

 

様式が減るのは本当に助かります!書類の管理も楽になりそうです。

 

そして3つ目が「申請届出書の添付書類の簡素化等」です。これも大きな変更点ですよ。

 

添付書類も減るんですか?

 

はい、現行制度では見取図や会社案内、HP情報、取扱商品リストなどを添付する必要がありましたが、これらが不要になります。臨時販売場の設置承認申請書の添付書類も一部不要になります。

 

それは準備する書類が減るので助かりますね!ただ、何か新しく必要になる書類はありますか?

 

鋭いですね!実は、新たな許可要件として「免税販売手続きや購入記録情報の提供及び税関確認情報の受領を適正に実施するための必要な体制が整備されていること」が追加されます。これに関連して、その体制が整っていることを確認できる資料が新たに必要になります。

 

なるほど。簡素化される部分がある一方で、適正な運用のための新たな要件も加わるんですね。

 

その通りです。全体としては事業者の負担が軽減される方向ですが、新しい制度に対応するための体制整備は必要になります。新しい様式や詳細については、国税庁から追って発表される予定です。

 

クライアントへの説明の際には、手続きが簡素化される部分と、新たに対応が必要になる部分の両方をしっかり伝えないといけませんね。

 

そうですね。特に販売場の移転を計画しているクライアントには、新制度のメリットが大きいと思います。また、すでに輸出物品販売場の許可を受けている事業者も、新制度への移行に伴う手続きがあるかもしれないので、国税庁からの最新情報をチェックしておく必要がありますね。

 

分かりました!リファンド方式への移行に向けて、クライアントへの説明資料も作成しておきます。今日はありがとうございました、先生!

 

どういたしまして。他に質問があればいつでも聞いてくださいね。

【答】

リファンド方式への移行に当たっては、輸出物品販売場の区分や許可要件の見直し等が行われますが、これに伴い、輸出物品販売場制度に関する各種申請届出手続が次のとおり見直されます。

1.輸出物品販売場の移転手続

 現行制度での輸出物品販売場の移転については、移転前の販売場に係る「輸出物品販売場廃止届出書」を提出するとともに、移転後の販売場について、新たに輸出物品販売場の許可を受ける必要があります。
 リファンド方式においては、現行制度と異なり「輸出物品販売場等変更届出書」を移転する日の前日までに輸出物品販売場を経営する事業者の納税地を所轄する税務署長へ提出することで、輸出物品販売場の許可を受けたまま販売場の移転が可能となります(消規7C)。なお、許可を受けた輸出物品販売場を廃止し、新たに輸出物品販売場を設置する場合には、現行制度と同様、廃止前の販売場の「輸出物品販売場廃止届出書」を提出するとともに、新たに設置する輸出物品販売場について改めてその許可を受ける必要があります(消法8F、消令18の2@AC)。

2.申請届出書の様式の統合

 現行制度で輸出物品販売場の区分ごとに分かれている許可申請書等を統合するほか、別様式とされている「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」は廃止され、許可申請書等に統合されます。 

現行制度(〜 R8.10.31) リファンド方式 (R8.11.1)
輸出物品販売場許可申請書(一般型用) 輸出物品販売場許可申請書
輸出物品販売場許可申請書(手続委託型用)
輸出物品販売場許可申請書(自動販売機型用)
輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書
臨時販売場を設置しようとする事業者に係る承認申請書(一般型・手続委託型用)

臨時販売場を設置しようとする
事業者に係る承認申請書

臨時販売場を設置しようとする事業者に係る承認申請書(自動販売機型用)
輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書
臨時販売場設置届出書(一般型・手続委託型用) 臨時販売場設置届出書
臨時販売場設置届出書(自動販売機型用)

また、現行制度で変更内容ごとに分かれている各種の変更届出書は、一つの届出書に統合されます。

現行制度(〜 R8.10.31) リファンド方式 (R8.11.1)
手続委託型輸出物品販売場移転届出書 輸出物品販売場等変更届出書
自動販売機型輸出物品販売場の指定自動販売機変更届出書
臨時販売場変更届出書
輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の変更届出書
免税手続カウンター設置場所変更届出書
承認送信事業者の変更届出書
3.申請届出書の添付書類の簡素化等

【添付書類の簡素化】

  • 現行制度で各申請届出書や変更届出書の添付書類とされている「見取図」や「会社案内」、「 HP情報」、「取扱商品リスト」等の提出が不要となります。
  • 現行制度で「臨時販売場を設置しようとする事業者に係る承認申請書」の添付書類とされている「7月以内の期間を定めて設置する販売場を設置した事実又は設置する意思を有する旨を証する書類」の提出が不要となります。

【添付書類の追加】

  • 輸出物品販売場の許可要件に「購入記録情報の提供等を適正に実施するための必要な体制が整備されていること」が新たに追加されることに伴い、その確認ができる資料が添付書類として追加されます(消規7A三)。

(注)リファンド方式における新たな申請届出書の様式や必要な添付書類については、詳細が確定次第、改めて国税庁ホームページ等でお知らせします。

 

出所:国税庁