リファンド方式移行時の輸出物品販売場許可等の経過措置

リファンド方式移行時の輸出物品販売場許可等の経過措置

令和8年11月1日から導入されるリファンド方式について、国税庁が公表しているQ&Aを随時紹介しています。

問10 リファンド方式に移行する際の輸出物品販売場に係る許可等に関し経過措置が設けられたとのことですが、その概要を教えてください。

 

おはようございます。先日の研修会で「輸出物品販売場に係るリファンド方式への移行」について勉強されていましたが、理解できましたか?

 

 

おはようございます。はい、リファンド方式自体の概要は理解できたのですが、移行時の許可や経過措置についてもう少し詳しく知りたいと思っています。

 

 

なるほど。それでは経過措置の概要について、分かりやすく説明しましょう。まず重要な日付からおさえておきましょう。リファンド方式はいつから適用されるか覚えていますか?

 

 

はい、令和8年11月1日からですよね。その日以降に行う免税対象物品の販売から適用されると聞きました。

 

 

その通りです。では、現在輸出物品販売場の許可を受けている事業者は、新制度に移行する際に新たに許可申請をする必要があるのでしょうか?

 

 

それが気になっていました。改めて手続きが必要なのでしょうか?

 

 

基本的には不要です。令和8年10月31日時点で現行制度における一般型または手続委託型の輸出物品販売場の許可を受けている場合、翌日の11月1日には自動的に新制度における一般型輸出物品販売場の許可を受けたものとみなされます。

 

 

つまり、現在許可を受けている店舗は特に手続きしなくても、そのまま新制度に移行できるということですね。

 

 

そうです。ただし、重要な条件があります。「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を提出して、免税販売手続の電子化に対応していることが前提です。

 

 

あ、そうなんですね。もし電子化に対応していない場合はどうなるのでしょうか?

 

 

重要なポイントです。令和8年10月31日までに電子化未対応の輸出物品販売場は、その日をもって許可の効力を失ってしまいます。つまり、11月1日からは免税販売ができなくなるのです。

 

 

それは大変ですね!クライアントには早めに確認しておかないと...。手続委託型の場合は何か特別な手続きが必要ですか?

 

 

手続委託型の場合も基本的には同様に一般型とみなされますが、良いポイントを質問してくれました。手続委託型の場合、事業者間の委託関係に変更がなければ、特段の手続きなく現行の承認免税手続事業者に引き続き免税販売手続を委託できます。

 

 

なるほど。では臨時販売場を設置している場合はどうなりますか?イベントなどで一時的に免税販売を行うケースがありますよね。

 

 

臨時販売場も同様の経過措置があります。令和8年10月31日時点で承認を受けている臨時販売場は、11月1日に新制度の一般型臨時販売場の承認を受けたものとみなされます。ただし、これも電子化対応が前提です。電子化未対応の場合は、許可や承認の効力を失います。

 

 

電子化対応の有無がとても重要なんですね。許可を持っていても電子化に対応していなければ、新制度では免税販売ができなくなってしまうわけですか。

 

 

その通りです。また、店舗を閉店する場合や免税販売をやめる場合は、「輸出物品販売場廃止届出書」の提出が必要です。電子化対応の有無にかかわらずこの点は注意してください。

 

 

承認免税手続事業者や承認送信事業者についても教えていただけますか?

 

 

承認免税手続事業者については、令和8年10月31日時点で承認を受けている事業者は、11月1日において免税手続カウンターごとに新制度の承認免税手続事業者の承認を受けたとみなされます。また、承認送信事業者も同日に新制度の承認送受信事業者の承認を受けたとみなされます。

 

 

なるほど。最後に確認させてください。リファンド方式への移行にあたり、現行制度と併用できる期間はあるのでしょうか?

 

 

いい質問です。明確にしておきましょう。リファンド方式への移行に当たっては、現行制度と併用できる移行期間はありません。令和8年11月1日以降は完全にリファンド方式に切り替わります。

 

 

わかりました!つまり、移行の要点は次の3つですね。@令和8年11月1日から完全にリファンド方式が適用される、A現在許可を受けている事業者は原則として新たな手続きなく新制度に移行できる、Bただし免税販売手続の電子化に対応していることが前提条件となる。

 

 

素晴らしい!完璧にまとめてくれました。この3点が経過措置の核心部分です。クライアントへの説明時には、特に電子化対応の有無を確認し、もし未対応であれば早急に対応するよう助言しましょう。

 

 

はい、理解できました!明日のクライアントミーティングでも、この点をしっかり説明します。ありがとうございました!

 

 

どういたしまして。いつでも質問してください。制度移行はクライアントにとって重要なポイントですから、正確な情報提供が私たちの役割ですね。

【答】

1.輸出物品販売場及び臨時販売場

 令和8年10月31日に一般型輸出物品販売場又は手続委託型輸出物品販売場の許可を受けている輸出物品販売場は、令和8年11月1日において新制度における一般型輸出物品販売場の許可を受けたものとみなされます。
 また、手続委託型輸出物品販売場は、事業者間の現在の委託関係等に変更がなければ、特段の手続なく現行制度で委託している承認免税手続事業者に免税販売手続を委託して行わせることが可能です(改正令附則2@)。
 さらに、令和8年10月31日に一般型輸出物品販売場又は手続委託型輸出物品販売場とみなされる臨時販売場に係る承認を受けている事業者は、令和8年11月1日において新制度における一般型輸出物品販売場とみなされる臨時販売場に係る承認を受けたものとみなされます(改正令附則2D)。
 一方、令和8年10月31日までに「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」が未提出(免税販売手続電子化未対応)の「輸出物品販売場」や「臨時販売場を設置しようとする事業者」については、同日をもってその許可や承認の効力を失うこととされます(改正令附則2AE)。

(注) 1 「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」の提出の有無(免税販売手続電子化に対応しているか否か)にかかわらず、許可を受けた販売場を閉店する場合や、免税販売手続を行わないこととなった場合には、輸出物品販売場を経営する事業者の納税地の所轄税務署長に「輸出物品販売場廃止届出書」を提出する必要があります(旧消令18の2P、消令18の2C)。
2 現行制度において、免税販売を行うためには 「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」の提出(免税販売手続電子化対応)が必要となりますが、令和8年11月1日以降にリファンド方式に対応した輸出物品販売場の許可申請書を提出する場合には、この届出書の提出は不要となります(許可申請書に統合されます。問6参照)。
2.承認免税手続事業者及び承認送信事業者

 令和8年10月31日に承認を受けている承認免税手続事業者は、令和8年11月1日において免税手続カウンターごとに新制度における承認免税手続事業者の承認を受けたものとみなされます(改正令附則2B)。また、令和8年10月31日に承認を受けている承認送信事業者は、令和8年11月1日において新制度における承認送受信事業者の承認を受けたものとみなされます(改正令附則2C)。

 

出所:国税庁