
おはようございます。今日はオーダーメイド商品の免税販売手続きについて勉強しましょう。最近このようなご相談が増えているんですよ。
おはようございます!オーダーメイド商品の免税って、普通の商品販売と何か違うんですか?
いい質問ですね。まず、免税販売手続きの基本から確認しましょう。免税販売手続きは、免税購入対象者が輸出物品販売場で免税対象物品を購入する際に行う必要があります。ここで重要なのは「購入する際」という表現です。
「購入する際」というのは、注文した時ということですか?
それが誤解しやすいポイントなんです。この「免税対象物品を購入する際」とは、輸出物品販売場から免税購入対象者に商品の引渡しがあった時を指すんです。注文時ではありません。
なるほど!では、オーダーメイド商品の場合はどうなるんでしょうか?
オーダーメイド商品の場合を具体的に考えてみましょう。例えば、外国人観光客が店頭で注文を出して、商品を製作した後、再び来店してもらって商品を引き渡すケースですね。
よくあるパターンですね。着物の仕立てや、名入れグッズなどでしょうか。
そのとおりです。このような場合、免税販売手続きは製作した商品の引渡し時に行う必要があります。注文を受けた時ではないんです。
引渡し時なんですね。ということは、お客様に再来店していただく必要があるということですか?
そういうことになります。そして、ここで注意が必要なケースがあります。もし注文を受けた後、製作した商品を免税購入対象者が帰国した後に自宅などに発送する形で引き渡す場合はどうでしょう?
あー、それだと引渡し時に免税販売手続きができませんね...
まさにそのとおりです。この場合、商品の引渡し時に免税販売手続きを行うことができないため、輸出物品販売場制度による免税の適用は受けられなくなってしまいます。
それは困りますね。何か解決策はあるんでしょうか?
はい、実は別の制度を活用する方法があります。事業者が免税購入対象者の指定する国へオーダーメイド商品を輸出する場合には、消費税法第7条の「輸出免税制度」の規定を適用できるんです。
輸出免税制度ですか。それはどのような制度なんでしょう?
この制度を使う場合、輸出物品販売場を経営する事業者において一定の書類等の保存が必要になりますが、輸出物品販売場制度における一連の免税販売手続きや購入記録情報の提供は不要になります。
手続きが簡素化されるということですね!
そうです。さらに、もう一つ「直送制度」という方法もあります。これは販売場において顧客が運送契約を締結し、その場で商品を運送事業者に引き渡すことで免税が適用される制度です。
直送制度の場合、お客様の制限はあるんですか?
いい質問ですね。直送制度では、リファンド方式移行後は免税店に限定されませんし、顧客も免税購入対象者に限定されません。ただし、現行制度と同様に一定の運送契約書等の保存が必要になります。
まとめると、オーダーメイド商品の場合は...
そうですね、整理してみましょう。
基本は商品引渡し時に免税販売手続きを行う
帰国後の発送では輸出物品販売場制度は使えない
輸出免税制度(消費税法第7条)の活用
直送制度の活用
これらの選択肢を顧客のニーズに合わせて提案することが大切ですね。
よく分かりました!お客様にも適切なアドバイスができそうです。ありがとうございました!
どういたしまして。実務では様々なケースがありますから、迷った時はいつでも相談してくださいね。
免税販売手続は、免税購入対象者が輸出物品販売場において免税対象物品を購入する際に行う必要があります(消令18A)。この免税対象物品を購入する際とは、輸出物品販売場から免税購入対象者に商品の引渡しがあった時をいうこととなります。
ご質問の場合は、免税購入対象者に製作した「商品の引渡し時」に、免税販売手続を行う必要があります。 なお、このような取扱いはリファンド方式に限らず、現行の制度(令和8年10月31日まで)においても同様です。
そのため、例えば注文を店頭で受け、商品は免税購入対象者が帰国した後自宅などに発送する形で引き渡す場合には、商品の引渡し時に免税販売手続を行うことができないことから、輸出物品販売場制度による免税の適用は受けられないこととなります。
(注) |
事業者が、免税購入対象者の指定する国へオーダーメイド商品を輸出する場合には、消費税法第7条(輸出免税制度)の規定の適用を受けることができます。 |
出所:国税庁