100 万円未満の 商品に係る商品情報詳細の設定)

100 万円未満の 商品に係る商品情報詳細の設定)

問14 販売した商品の単価(税抜価額)が100万円未満の場合は、「免税対象物品を特定するに足りる事項」(商品情報詳細)は任意項目とされているため、 設定しなくてもよいでしょうか。

 

先生、お疲れ様です。免税対象物品の商品情報詳細について質問があります。

 

 

お疲れ様です。どんなことでしょうか?

 

 

販売した商品の単価が税抜100万円未満の場合、「免税対象物品を特定するに足りる事項」、つまり商品情報詳細は任意項目とされていますよね。それなら設定しなくてもよいのでしょうか?

 

 

なるほど、確かに法令上は任意項目ですね。ただ、これは「設定しなくてもよい」というより「設定した方がよい」と考えていただいた方がよろしいかと思います。

 

 

えっ、どういうことですか?

 

 

例えば、こんなケースを考えてみてください。外国人観光客が5万円の腕時計を免税で購入されたとします。商品情報詳細を設定せずに「品名:時計」とだけ記載したらどうなると思われますか?

 

 

うーん、時計といっても色々ありますから...税関で詳細が分からないということですか?

 

 

そうですね!税関職員が「時計」という記載だけを見ても、それが腕時計なのか壁掛け時計なのか、ブランド品なのか一般品なのか判断できませんよね。結果として、お客様が空港で余計な時間をお取りいただくことになる可能性があるんです。

 

 

確かにそれは困りますね。具体的にはどんな問題が起こるのでしょうか?

 

 

主に2つの問題があります。まず1つ目は、税関での物品特定に支障をきたすことです。品名欄やその他の記載から免税対象物品を特定できない場合、法令上の提供項目である「品名」が適切に設定されていないとみなされて、お客様が税関での確認を受けられない可能性があるんです。

 

 

それは大変ですね!2つ目はどんな問題ですか?

 

 

2つ目は、購入者からの問い合わせのリスクですね。税関が免税対象物品がどのようなものか判断できない場合、お客様から当店に直接お問い合わせをいただく可能性があります。

 

 

それは避けたいですね。でも、商品情報詳細を設定すると作業が増えませんか?

 

 

確かにお手間は増えますね。ただ、考え方を変えてみていただければと思うのですが、適切に設定することで、お客様が空港で円滑に税関の確認を受けられるようになります。これは結果的に顧客満足度の向上につながりますし、トラブル対応のお手間も減らせるんです。

 

 

なるほど、長期的に見ればメリットの方が大きいということですね。

 

 

そうですね。それに、100万円以上の商品については商品情報詳細の設定は必須項目になっています。なぜ高額商品で必須かというと、税関でのチェックがより厳格になるからなんですね。

 

 

高額商品の場合はどの程度詳細に記載する必要があるのですか?

 

 

例えば、120万円の腕時計を販売する場合を考えてみてください。「品名:腕時計」だけでは不十分で、「ブランド名:ロレックス、型番:116610LN、材質:ステンレススチール、文字盤色:黒」といった具体的な情報が必要になります。

 

 

かなり詳細ですね。100万円未満でもそこまで書いた方がいいのでしょうか?

 

 

100万円未満でもある程度の詳細は記載していただいた方がよろしいかと思います。さきほどの5万円の腕時計の例でしたら、「品名:腕時計、ブランド:セイコー、材質:ステンレス」程度は記載しておくと安心ですね。

 

 

具体的な記載例をもう少し教えていただけますか?

 

 

もちろんです。化粧品でしたら「品名:化粧品、種類:ファンデーション、ブランド:資生堂、容量:30ml」、電化製品でしたら「品名:デジタルカメラ、ブランド:キヤノン、型番:EOS R6、画素数:2010万画素」といった感じですね。

 

 

よく分かりました。つまり、任意項目だからといって設定しないのではなく、お客様の利便性を考えて積極的に設定すべきということですね。

 

 

まさにその通りです!免税制度は外国人観光客にとって日本での買い物を魅力的にする重要な制度ですからね。私たちがしっかりと対応することで、お客様に気持ちよく日本でのショッピングを楽しんでいただけます。それが結果的に店舗の信頼性向上にもつながるんですよ。

 

 

ありがとうございます。早速、今後の免税販売では商品情報詳細もしっかりと設定した方が良いとアドバイスするように心がけます!

 

 

その心がけが大切ですね!何か不明な点がございましたらいつでもお気軽にご相談ください。

【答】

販売した商品の単価(税抜価額)が100万円以上の場合には購入記録情報として「免税対象物品を特定するに足りる事項」(「商品情報詳細」欄)を設定することとされま すが(消令18E、消規6の4@五)、その商品の単価(税抜価額)が100万円未満の場合、「免税対象物品を特定するに足りる事項」( 「商品情報詳細」 欄)の設定は任意となります。

 

しかしながら、商品の単価(税抜価額)にかかわらず、「品名」欄その他の記載等から税関で免税対象物品を特定できない場合は、法令上の提供項目である「品名」(消規6の4@四)が設定されていないものとして、免税購入対象者が免税対象物品を持ち出す(輸出する)ことにつき税関の確認を受けられない可能性があります。また、免税対象物品がどのようなものであるかを税関で判断できない場合、免税購入対象者から当該免税対象物品を販売した輸出物品販売場に問合せが行われる可能性もあります。

 

そのため、輸出物品販売場において「免税対象物品を特定するに足りる事項」(「商品情報詳細」欄)の設定を適切に行うことによって、空港等で免税購入対象者が円滑に税関の確認を受けることができるようになります。

 

出所:国税庁