スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を左面と右面に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。

スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を左面と右面に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。

問8 スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を左面と右面に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。

 

先生、お疲れ様です。今日、クライアントからA3サイズの契約書を受け取ったのですが、うちのスキャナはA4までしか対応していません。この場合、どのように電子化すればよいでしょうか?


 

それは実務でよくある問題ですね。電子帳簿保存法上、スキャナの読取サイズよりも大きい書類を分割して読み取ることは可能です。ただし、いくつかの重要な条件がありますよ。


 

分割できるんですね!具体的にはどのような条件でしょうか?


 

まず最も重要なのは「出力形式の整然性・明瞭性」です。1ページの書類が2ページにまたがって分割されることなく、整然とした形式で出力できることが求められています。つまり、左面と右面に分けて読み取った後、元の1ページの書類として適切に復元できる必要があります。


 

なるほど。具体的にはどのような方法で保存すればよいのでしょうか?


 

実務的には、左面と右面を別々にスキャンした後、PDFソフトなどで1つのファイルに結合する方法が一般的です。ただし、解像度と階調の要件も満たす必要があります。


 

解像度の要件について詳しく教えてください。


 

25.4ミリメートル(1インチ)当たり200ドット(200dpi)以上で読み取る必要があります。また、カラー書類の場合は赤・緑・青それぞれ256階調以上、一般書類であればグレースケールでも可能ですが、白色から黒色までの256階調以上が必要です。


 

先生、コスト削減のために、A3の書類をコピー機で縮小してからスキャンするのはどうでしょうか?


 

それは絶対にダメです!電子帳簿保存法では、縮小コピーしたものをスキャナ保存することは認められていません。これは「国税関係書類に記載されている事項をスキャナで読み取ること」には該当しないためです。


 

そうなんですね。では、具体的な事例で教えていただけますか?


 

例えば、建設業のクライアントからA3サイズの工事請負契約書を受け取ったとしましょう。この場合、契約書の左半分と右半分を別々にA4サイズでスキャンし、その後PDFで結合して1つのファイルとして保存します。重要なのは、結合後のPDFが元の契約書と同じ内容で、明瞭に読めることです。


 

書類の大きさに関する情報の保存は必要ですか?


 

令和6年1月1日以後に保存する書類については不要になりました。これは令和5年度税制改正による変更点です。ただし、スキャニング時の200dpi以上の解像度要件は引き続き満たす必要があります。


 

実際の業務フローとしては、どのような手順になりますか?


 

まず、受領した大判書類を左面・右面に分けてスキャンします。次に、スキャンしたファイルをPDFソフトで結合し、元の1ページ書類として復元できることを確認します。最後に、200dpi以上の解像度と適切な階調で保存されていることをチェックして完了です。


 

ありがとうございます。これで安心してクライアントの大判書類も適切に電子化できそうです。


 

そうですね。電子帳簿保存法のスキャナ保存要件を正しく理解して、適切に実務を行うことが重要です。分からないことがあれば、いつでも相談してくださいね。

【回答】

ディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式かつ紙原本 と同程度に明瞭な状態で、速やかに出力することができれば、左面と右面に分けるなど複数回に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えありません。

【解説】

電子帳簿保存法では、国税関係書類を読み取るに当たっての要件として200dpi以上及び赤・緑・青それぞれ256階調以上であることを規定していますが( ※)、その他は特に規定していませんので、1頁の書類が2頁にまたがるなど、分割されることなく 整然とした形式で出力され、かつ、紙原本と同程度に明瞭な状態で速やかに出力することができるのであれば、読み取りの方法については問わないこととされています。


※ 規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類(以下「一般書類」といいます。)の場合は、いわゆるグレースケールで保存することも可能です。


(注1)備え付けられているスキャナが対応していないサイズの国税関係書類について、その国税関係書類(紙原本を複写機などで縮小コピーし て出力した書面を読み取ってスキャナ保存することは、法第4条第3項前段に規定する国税関係書類に記載されている事項をスキャナで読み取ることには当たらず、認められません。


(注2)令和6年1月1日前に保存する国税関係書類については「書類の大きさに関する情報」を保存する必要がありましたが、一般書類の場合は、書類の大きさに関する情報を保存する要件はありません 。また、国税関係書類の受領者等が読み取る場合で、当該書類の大きさがA4以下であるときは、書類の大きさに関する情報を保存する要件はありません。


出所:国税庁