入力期間を誤って経過してしまった場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。

入力期間を誤って経過してしまった場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。

問24 入力期間を誤って経過してしまった場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。

 

先生、スキャナ保存制度について質問があります。前回、入力期間は「2か月とおおむね7営業日以内」と教えていただきましたが、もし誤ってこの期間を過ぎてしまった場合はどうなるんでしょうか?


 

良い質問ですね。結論から言うと、入力期間を過ぎてしまった場合は、スキャナ保存の要件を満たさないため、紙の原本を保存しなければなりません。


 

えっ、そうなんですか?スキャンしたデータは使えないんですか?


 

はい。入力期間はスキャナ保存の重要な要件の一つです。この期間を過ぎてスキャンした電磁的記録は、税法上の正式な保存書類として認められないんです。


 

では、遅れてスキャンしたデータと紙の原本、両方保存する必要があるということですか?


 

その通りです。要件を満たしていない電磁的記録だけでは、国税関係書類の保存に代えることができません。必ず紙の原本を保存する必要があります。


 

もし紙の原本を捨ててしまっていたらどうなるんでしょうか?


 

それは大変危険です。具体的には、仕入税額控除が否認されたり、青色申告の承認が取り消されたりする可能性があります。もちろん、個別の事情を総合的に勘案して判断されますが、リスクは非常に高いですね。


 

例えば、どんな事例が考えられますか?


 

例えば、6月1日に受領した請求書を、うっかり8月15日にスキャンしてしまったとします。2か月とおおむね7営業日を過ぎていますから、この場合は紙の原本も保管しておく必要があります。


 

なるほど。でも、災害などやむを得ない事情がある場合はどうなんですか?


 

良いところに気づきましたね。災害その他やむを得ない事情があり、それを証明できる場合は例外的に認められることがあります。ただし、スキャナのメンテナンスを怠ったなど、明らかに会社側の責任である場合は適用されません。


 

つまり、入力期間の管理は本当に重要だということですね。


 

その通りです。スキャナ保存制度を活用するなら、受領した書類を定期的に、確実に期間内にスキャンする体制を整えることが不可欠です。業務フローとして組み込んでおくことをお勧めします。


 

分かりました。入力期間を過ぎたら紙原本の保存が必須、これをしっかり覚えておきます!

【回答】

入力期間を経過した国税関係書類についてもその他の保存時に満たすべき要件に沿って入力するとともに、当該国税関係書類を紙のまま保存することとなります。

【解説】

誤って入力期間を経過した場合には、入力期間の制限というスキャナ保存における要件を満たしていない電磁的記録(法第4条第3項後段の規定により保存が行われている電子データ)となることから、当該電磁的記録をもって同項前段の規定による当該国税関係書類の保存に代えることはできず、元の書類は紙のまま保存することとなります。


出所:国税庁