過去分重要書類についても、災害その他やむを得ない事情に係る宥恕措置の適用はあるとのことですが、何か注意することはありますか。

過去分重要書類についても、災害その他やむを得ない事情に係る宥恕措置の適用はあるとのことですが、何か注意することはありますか。

問58 過去分重要書類についても、災害その他やむを得ない事情に係る宥恕措置の適用はあるとのことですが、何か注意することはありますか。

 

今日は過去分重要書類の災害時の宥恕措置について、よく質問を受けるので整理しておきましょう。まず、宥恕措置自体は適用されますが、大きな落とし穴があるんです。


 

はい。災害が起きたら要件を満たさなくてもスキャナ保存できる、という理解で合っていますか?


 

そこが要注意なんです。宥恕措置が使えるのは、災害が起きる前に既に適用届出書を提出していて、実際にスキャナ保存を行っている事業者だけなんですよ。


 

えっ、事前に届出を出していないとダメなんですか?


 

その通り。例えば、令和7年1月に地震が発生したとします。A社は令和6年に適用届出書を提出済みで既にスキャナ保存中だった。この場合、地震の影響で要件を満たせなくても宥恕措置で保存が認められます。


 

なるほど。では届出を出していなかったB社は?


 

B社が同じ地震に遭っても、届出書未提出なら宥恕措置は使えません。災害後に『大変だったので要件を満たさずスキャナ保存します』というのは認められないんです。


 

厳しいですね。では災害後に過去分書類のスキャナ保存を始めたい場合は?


 

災害が収まった後に、改めて適用届出書を提出して、通常の要件に従ってスキャナ保存を開始することになります。宥恕措置は保存義務を免除するものではなく、あくまで要件緩和の規定ですから。


 

つまり、将来の不測の事態に備えるなら、今のうちに届出を済ませておくべきということですね。


 

まさにその通り。過去分重要書類は入力期間の制限がないので、届出さえ出しておけば、ゆっくり作業できる上に、万一の災害時にも保護されるというメリットがあります。早めの準備が大切ですね。

【回答】

災害その他やむを得ない事情があった場合であっても、 過去分重要書類の適用届出書を提出していない保存義務者についてまで、基準日(スキャナ保存により電磁的記録の保存をもって国税関係書類の保存に代える日をいいます。以下同じです。)前に作成又は受領した過去分重要書類について保存時に満たすべき要件を満たさずにスキャナ保存を認めるものではありませんので注意してください。

【解説】

規則第2条第11項の規定により、過去分重要書類に係る電磁的記録の保存をする保存義務者が、災害その他やむを得ない事情により、保存時に満たすべき要件に従って電磁的記録の保存をすることができないこととなったことを証明した場合には、その保存時に満たすべき要件にかかわらず、その電磁的記録の保存ができることとなります。


ただし、本規定の適用については、既に過去分重要書類の適用届出書を提出し、その過去分重要書類についてスキャナ保存を行っている保存義務者が、災害その他やむを得ない事情により保存時に満たすべき要件を充足できないこととなったことを証明した場合が対象です。


したがって、本規定が適用される事情が生じた場合であっても、過去分重要書類の適用届出書を提出していない保存義務者についてまで、基準日前に作成又は受領した過去分重要書類についてスキャナ保存を認めるものではありませんので注意してください。


なお、その事情が生じる前に作成又は受領した国税関係書類を含め、その事情がやんだ後において過去分重要書類のスキャナ保存を行おうとする保存義務者については、過去分重要書類の適用届出書を提出した上でそのスキャナ保存を行うこととなります。


出所:国税庁