

電子メールで受け取った領収書データを、訂正や削除の記録が残るシステムに保存しておけば、それだけで改ざん防止の要件はクリアできますよね?
いいえ、実はそれだけでは電子帳簿保存法上の改ざん防止措置を講じたことにはならないんです。電子帳簿保存法施行規則第4条第1項第3号にある「訂正・削除の記録が残るシステムの利用」という要件は、データの保存だけでなく、データの授受、つまりやり取り自体をそのシステム内で行うことが前提になっています。
そうなんですか…!メールで受け取ったものを後からシステムにアップロードするだけではダメということですね。
その通りです。例えば、取引先からPDFの領収書がメールで送られてきて、それを保存専用のシステムにアップロードしたケースを考えてみましょう。この場合、データの授受はメールというシステム外で行われているため、たとえ保存先が訂正削除履歴の残るシステムであっても、この号の要件は満たせません。
では、メールで受領したデータの改ざん防止措置としては、どのような方法があるんですか?
主に2つの方法があります。1つ目は「事務処理規程」を備え付けて、それに沿って運用する方法です。不当な訂正・削除を防止するための社内ルールを定めておくイメージですね。2つ目は、データ受領後に速やかに「タイムスタンプ」を付与する方法です。
なるほど。関与先の一社が今、保存専用のシステムを導入しようとしているんですが…
でしたら、そのシステムだけに頼るのではなく、事務処理規程を整備して運用するか、タイムスタンプ付与の仕組みも併せて導入することをおすすめします。保存システムの機能と、授受の実態、この両方をセットで確認することが、電子帳簿保存法対応のポイントです。
よく分かりました。システムを入れて終わり、ではないんですね。
その通りです。国税庁の要件は「保存方法」だけでなく「授受から保存までの一連の流れ」を見ていますので、そこを押さえて対応していきましょう。
訂正・削除の記録が残るなどの一定のシステムを使用することによって改ざん防止のための措置を講じていることとするためには、保存だけではなく、データの授受も当該システム内で行う必要がありますので、改ざん防止のための措置を講じていることとはなりません。別途、不当な訂正・削除を防止するための事務処理規 程 を制定して遵守するなど の方法によって改ざん防止のための措置を講じることが必要です。
規則第4条第1項第3号に規定する電子計算機処理システムとは、電磁的記録の記録事項に係る訂正若しくは削除を行った場合に、その事実及び内容を確認できる要件又は電磁的記録の記録事項について訂正若しくは削除を行うことができない要件のいずれかを満たすものが該当します。
同号では、上記のいずれかの要件を満たしたシステムを使用して「取引情報の授受及び電磁的記録の保存を行うこと」と規定していることから、電磁的記録の保存のみを当該システムで行っている場合は該当しません。
電磁的記録の授受を当該システム外で行うことがある場合には、別途、不当な訂正・削除を防止するための事務処理規程を制定して遵守するなどの方法によって改ざん防止のための措置を講じることが必要です。
出所:国税庁
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