

顧問先の経理担当の方から、自社が発行した請求書データを保存する際、記載内容が事後的にわかるものであれば、データベースでの保存でも問題ないのか、というご質問をいただいたのですが…。取引先に送ったファイルそのものを保管しないといけないのでは、と心配されていて。
結論から言うと、データベースでの保存でも大丈夫ですよ。電子帳簿保存法では、電子取引を行った場合、その取引情報――日付や金額、取引先名など通常記載される事項――に係る電磁的記録を保存する必要がありますが、相手方に送信したファイルそのものをそのまま保存しなければならない、というわけではないんです。
それは顧問先にお伝えして安心してもらえそうです。ただ、データベース保存であれば何でもよい、というわけでもないですよね?
おっしゃる通りです。データベースで保存する場合は、大きく分けて二つの要件を満たす必要があります。
一つ目は、内容変更(改ざん)のおそれがないことです。発行した請求書データの内容が、事後的に書き換えられるおそれがない状態で保存されている必要があります。
二つ目は、合理的な方法による編集であることです。たとえば、請求データの元になる請求者情報データベースから自動的に出力される仕組みになっていて、記載された取引情報のすべてが、変更されるおそれのない合理的な方法で編集され、真実性の確保・可視性の確保という保存要件に従って保存されていると認められる必要があります。
なるほど、勉強になります。顧問先には、システムとして「勝手に書き換えられない」「きちんとしたルールで出力される」という状態を作っておくことが大事、とお伝えすればよいですね。実務上、他に気をつけておくべきことはありますか?
はい、そこも顧問先にお伝えいただきたいポイントです。税務調査の際には、データベース内のデータをもとに、実際に取引先へ提供した請求書と同じフォーマットで出力(画面表示や印刷)して確認を求められることがあります。ですので、いざというときにそのフォーマットで速やかに出力できる体制を、あらかじめ整えておくことが大切です。
承知しました。顧問先には、日頃からすぐに出力できるように準備しておくよう、ご案内してみます。とても分かりやすかったです、ありがとうございます。
発行した請求書データの内容について変更されるおそれ がなく、合理的な方法により編集された状態で保存されたものであると認められるデータベースであれば問題ありません。
電子取引を行った場合には、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないと規定されているところ、この取引情報とは、「取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。」と定義されていることからも明らかなように、必ずしも相手方とやり取りしたデータそのものを保存しなければならないとは解されません。
したがって、発行する請求書等データに記載の内容が、送信データの元となる請求者等情報データベースから自動的に出力されるなど、記載した取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項)の全てが、変更されるおそれがなく合理的な方法により編集された状態で、要件に従って保存されたものであると認められる場合は、当該データベースにおける保存も認められます。
なお、税務調査の際には、実際に先方へ提供したフォーマットに出力して確認をさせていただくこともありますのでご協力ください。
出所:国税庁
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