電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、検索機能で注意すべき点はありますか。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、検索機能で注意すべき点はありますか。

問48 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、検索機能で注意すべき点はありますか。

 

電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存するにあたって、検索機能について注意すべき点があれば教えていただきたいのですが。顧問先から「どこまで検索できるようにしておけばよいか」と聞かれることが多くて…。


 

よくいただくご質問ですね。まず原則として、電子データを保存する際には「検索機能の基本3要件」をすべて備えている必要があります。


一つ目は、「取引年月日その他の日付」「取引金額」「取引先」の3項目を検索条件として設定できること。二つ目は、日付または金額について範囲を指定して検索できること。三つ目は、二つ以上の項目を組み合わせて、いわゆる「かつ」の条件で検索できることです。


 

一度の操作で全部検索できないと駄目、ということでしょうか?


 

いえ、そこまでは求められていません。たとえば「取引先」で検索した結果に対して、さらに「日付」で絞り込むという段階的な方式でも要件を満たします。逆に「AまたはB」というOR検索まではできなくても問題ありません。原則として一課税期間を通じて検索できる必要がありますが、データ量が多くて媒体を分けざるを得ないなど合理的な理由があれば、媒体ごと・期間ごとの検索でも認められますよ。


 

なるほど、思っていたより柔軟なんですね。要件が緩和されたり、不要になったりするケースもあると聞いたのですが。


 

はい、事業規模や提示方法によっては要件が軽くなります。まず、税務調査の際に税務職員からのデータダウンロードの求めに応じられるようにしている場合は、「範囲指定検索」と「組み合わせ検索」は不要になり、日付・金額・取引先による単一検索ができれば足ります。


さらに、ダウンロードの求めに応じられることを前提に、基準期間の売上高が5,000万円以下である場合、あるいは電子データを書面に出力し、日付や取引先ごとに整理して提示・提出できる場合には、検索機能の確保自体が不要になります。ただし、書面を整理している場合でも、元になる電子データの保存そのものは必須ですので、そこは誤解のないようにご案内ください。


 

顧問先の中には専用の文書管理ソフトを使っていないところも多いのですが、そういった場合はどうすればよいでしょうか?


 

専用システムがなくても、手元のパソコンで工夫すれば要件を満たせます。よくご案内するのは二つの方法です。


一つは、表計算ソフトで索引簿を作る方法です。受領したデータに通し番号を付けてファイル名にし、エクセル上でその番号に対応する日付・金額・取引先の一覧表を作成します。エクセルのフィルタ機能を使って範囲指定や組み合わせ検索ができれば、要件を満たしたことになります。


もう一つは、ファイル名を規則化する方法です。ダウンロードの求めに応じられることを前提に、「20210131_�渇熄、店_110000」のように、日付・取引先・金額の順でファイル名を統一して管理します。取引先ごとにフォルダを分けている場合は、ファイル名を日付と金額だけに省略することも可能です。


 

それなら特別なシステムがない顧問先でも対応できそうですね。とても分かりやすかったです、ありがとうございます。

【回答】

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、以下の要件を満たす検索機能を確保する必要があります。
(1)取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索の条件として設定することができること。
(2)日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
(3)二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

【解説】

検索機能については、規則第2条第6項第5号で定められており、例えば、取引年月日、取引先名称及び取引金額により、二以上の記録項目を組み合わせて条件を設定することができることとされています。


また、日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができることとされています。取引情報の保存については、サーバ等(運用委託しているものを含みます。)に保存する場合や、クラウドサービス等を利用する場合が考えられますが、その保存方法にかかわらず、保存義務者はこれらの条件を満たして検索をすることができる必要があります。


なお、当該電磁的記録について、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、(2)及び(3)の要件は不要となります(また、この場合において、判定期間に係る基準期間における売上高が5,000万円以下の事業者又は電磁的記録を出力した書面を取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものを提示・提出できるようにしている事業者 については全ての検索機能の確保の要件が不要となります(【問51、問52】参照)。)。
(注)令和5年度の税制改正前(令和5年12月31日までに行う電子取引の取引情報)については、判定期間に係る基準期間の売上高が1,000万円以下であり、上記のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合に限り、検索機能の確保の要件が不要となります。


出所:国税庁