

今日は電子帳簿保存法の検索要件について、少し細かい論点を確認しましょう。規則第2条第6項第5号ハに「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」とありますが、これには「A又はB」というOR検索も含まれるんでしょうか?顧問先からもよく聞かれるところだと思います。
そうなんです、先日も顧問先の経理担当者様から質問を受けました。結論としてはどうなるんでしょうか?
結論から言うと、含まれません。ここで求められているのは「AかつB」というAND検索の組み合わせだけです。
なぜOR検索は不要とされているんですか?顧問先にも説明できるようにしておきたいです。
「A又はB」で検索したい場合は、「A」で一度検索し、次に「B」で検索すれば、それぞれの結果を合わせれば同じことになりますよね。わざわざシステムにOR検索機能を持たせる必要性が薄いんです。例えば顧問先が取引先名で「A商事」または「B工業」の書類を探したい場合でも、それぞれ個別に検索すれば済む、という考え方です。
なるほど、実務上代替できるから要件にしていない、ということですね。そういえば先日訪問した顧問先のシステムは、一つの項目で検索して、その結果に対してさらに別の項目で絞り込む、という二段階の方式でした。これでも要件は満たせますか?
はい、満たします。例えば、まず「取引年月日」で範囲を絞り込んで一覧を表示し、その表示された結果の中から今度は「取引金額」でさらに絞り込む、という使い方です。
一度に「取引年月日」と「取引金額」を同時に指定する画面でなくてもいいんですね。少し安心しました。
その通りです。条文の「組み合わせて条件を設定する」は、必ずしも複数条件を一画面で同時入力できることだけを指しているわけではありません。段階的に再検索して絞り込んでいっても、最終的に得られる結果は同時指定のAND検索と同じになりますので、有効な検索機能として認められます。
つまり、顧問先が導入しているシステムが一括入力型でも二段階絞り込み型でも、どちらでも電子帳簿保存法の検索要件をクリアできる、と説明して差し支えないですね。
はい。システムの操作画面がどちらのタイプかは重要ではなく、「結果としてAND検索と同等の絞り込みができるかどうか」がポイントです。顧問先からシステム選定の相談を受けた際は、この点を伝えてあげると安心していただけると思います。
「A又はB」の組合せは必要ありません。また、段階的な検索ができるものも要件を満たすこととなります。
検索機能については、規則第2条第6項第5号で、検索の条件として設定した記録項目(取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先)により、二以上の記録項目を組み合わせて条件を設定することができることとされています。この場合の二の記録項目の組合せとしては、「AかつB」と「A又はB」とが考えられますが、このうち、「A又はB」の組合せについては、それぞれの記録項目により二度検索するのと実質的に変わらない(当該組合せを求める意味がない)ことから、これを求めないこととしています。
また、「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」とは、必ずしも「AかつB」という組合せで検索できることのみをいうのではなく、一の記録項目(例えば「A」)により検索をし、それにより探し出された記録事項を対象として、別の記録項目(例えば「B」)により再度検索をする方式も結果は同じであることから要件を満たすこととなります。
なお、当該電磁的記録について、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、この項目を組み合わせて条件を設定できる機能(及び範囲を指定して条件を設定できる機能)は不要となります(また、この場合において、判定期間に係る基準期間における売上高が5,000万円以下の事業者又は電磁的記録を出力した書面を取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものを提示・提出できるようにしている事業者については全ての検索機能の確保の要件が不要となります(【問51、問52】参照。)。
(注)令和5年度の税制改正前(令和5年12月31日までに行う電子取引の取引情報)については、判定期間に係る基準期間の売上高が1,000万円以下であり、上記のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合に限り、検索機能の確保の要件が不要となります。
出所:国税庁

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