当社には電子取引の取引データを保存するシステムがありませんが、電子取引の取引データを保存する際の検索機能の確保の要件について、どのような方法をとれば要件を満たすこととなりますか。

当社には電子取引の取引データを保存するシステムがありませんが、電子取引の取引データを保存する際の検索機能の確保の要件について、どのような方法をとれば要件を満たすこととなりますか。

問50 当社には電子取引の取引データを保存するシステムがありませんが、電子取引の取引データを保存する際の検索機能の確保の要件について、どのような方法をとれば要件を満たすこととなりますか。

 

専用の保存システムがない場合、電子取引データの検索要件はどうやって満たせばいいんでしょうか。中規模・小規模事業の顧問先様からもよく相談を受けます。


 

専用システムがなくても大丈夫です。パソコンの標準機能やエクセルなどの表計算ソフトを活用すれば、検索要件を満たすことができます。国税庁の一問一答でも、いくつかの具体的な方法が示されています。


 

具体的にはどんな方法があるんですか?


 

代表的なのは3つの方法です。まず1つ目は、エクセル等で「索引簿」を作成して管理する方法です。


 

索引簿というのは、どういうものでしょうか?


 

受領したデータと、エクセルで作成した一覧表を紐づけて管理するイメージです。まず、受領したPDFなどの取引データに、�@.pdf、�A.pdfのように連番をファイル名としてつけます。次に、エクセルのシートに連番、取引年月日、取引金額、取引先を入力した一覧表を作ります。あとはエクセルの並び替えやフィルタ機能を使えば、日付や金額の範囲指定や、複数条件を組み合わせたAND検索ができる状態になります。


 

なるほど、連番でファイルと一覧表を紐づけるんですね。2つ目の方法はどんなものですか?


 

2つ目は、ファイル名に規則性を持たせる方法です。ファイル名そのものを「取引年月日_取引先_取引金額」の順で統一して入力します。


 

例えばどんな感じになりますか?


 

例えば、2021年1月31日に株式会社霞商店から受領した110,000円の請求書なら、「20210131_�渇熄、店_110000」というファイル名にします。日付は和暦・西暦どちらでも構いませんが、検索時に混在しないよう、どちらかに統一しておく必要があります。


 

ファイル名だけで検索できるようになるんですね。3つ目の方法も教えてください。


 

3つ目は、フォルダ分けとファイル名を組み合わせる方法です。まず取引先ごとのフォルダを作成し、そのフォルダの中に格納するファイル名は「取引年月日_取引金額」だけにします。


 

先ほどの例だと、どうなりますか?


 

「株式会社霞商店」というフォルダを作り、その中のファイル名を「20210131_110000」とします。フォルダ名が取引先、ファイル名が日付と金額を表すので、フォルダとファイル名の組み合わせで、実質的に3つの項目すべてが検索可能になるわけです。


 

どの方法を選ぶにしても、共通して気をつけることはありますか?


 

いずれの方法も、税務調査の際に税務職員からのデータのダウンロードの求めに応じられる状態にしておくことが前提です。この点は共通の条件になります。


 

ちなみに、こうした対応自体が不要になるケースもあると聞いたことがあるのですが。


 

はい、検索要件そのものが免除される特例が2つあります。1つは売上高による判定で、判定期間、個人の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度の売上高が5,000万円以下であれば免除されます。もう1つは、電子データを書面に出力して、取引年月日や取引先ごとに整理し、税務調査時に遅滞なく提示・提出できるようにしている場合です。


 

書面に出力していれば、電子データ自体は消去してもいいんでしょうか?


 

いいえ、そこは注意が必要です。書面を整理していても、基となる電子データの保存自体は必須ですので、原本は消去せずに保管しておいてください。


 

分かりました。顧問先様には、まず取り組みやすい「エクセルの索引簿」か「ファイル名の統一ルール化」のどちらかから始めていただくよう、ご提案してみます。


 

それが良いと思います。自社の取引規模や管理のしやすさに合わせて選んでいただき、無理なく運用を続けられる方法を選ぶことが大切ですね。

【回答】

電子取引の取引情報に係る電磁的記録(電子取引の取引データ)を保存するシステムがない場合に検索機能の確保の要件を満たす方法としては、例えば、エクセル等の表計算ソフトにより、取引データに係る取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の情報を入力して一覧表を作成することにより、当該エクセル等の機能により、入力された項目間で範囲指定、二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件設定をすることが可能な状態であれば、検索機能の確保の要件を満たすものと考えられます。


その他、当該保存すべき取引データについて、税務職員のダウンロードの求めに応じることができるようにしておき、当該取引データのファイル名を「取引年月日その他の日付」、「取引金額」、「取引先」を含み、統一した順序で入力しておくことで、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索の条件として設定することができるため、検索機能の確保の要件を満たすものと考えられます。


また、ファイル名の入力により検索要件を満たそうとする場合については、「取引先」ごとにフォルダを区分して保存しており、その区分したフォルダに保存している取引データのファイル名を「取引年月日その他の日付」及び「取引金額」を入力して管理しておくことでも、取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索の条件として設定することができるときは、検索機能の要件を満たすこととなります。
(一覧表の作成により検索機能を満たそうとする例)
ファイル名には�@、�A、・・・と通し番号を入力する。
エクセル等により以下の表を作成する。

(ファイル名の入力により検索機能を満たそうとする例)
2021年(令和3年)1月31日付の株式会社霞商店からの110,000円の請求書データの場合
⇒
「2021013_ �垣霞商店_110000」
※ 取引年月日その他の日付は和暦でも西暦でも構いませんが、混在は抽出機能の妨げとなることから、どちらかに統一して入力していただく必要があります。

【解説】

検索機能については、規則第2条第6項第5号で定められているとおり、�@取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索の条件として設定することができること�A日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること�B二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること、の3つの要件が求められています。


そこで、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存するための専用のソフトウェア等を使用していない場合でも、例えば、エクセル等の表計算ソフトにより、取引データに係る取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の情報を入力した一覧表を作成することにより、エクセル等の表計算ソフトの機能によって、入力された項目間で範囲指定、2項目以上の組み合わせで条件設定の上抽出が可能であれば、上記�@〜�Bのいずれの機能も満たすものと考えられます。


この方法により保存する場合には、エクセル等の表計算ソフトの一覧表上で通し番号を付し、ファイル名と対応させるなどの方法により、一覧表から取引データを検索できるようにする必要があります。


また、検索機能の確保の要件について、システム上の検索機能を有している場合のほか、電磁的記録のファイル名に、規則性を有して記録項目を入力することにより電子的に検索できる状態にしておくなどの一定の方法により検索できる状態であるときは、当該要件を満たしているものとして取り扱うこととされていますが(取扱通達4−12)、この取扱いは、令和3年度の税制改正が適用されない、令和4年1月1日前に行った電子取引の取引情報及び同日前にスキャナ保存が行われた国税関係書類についても認められます。ただし、令和4年1月1日前の分については、検索機能における記録項目は、以下に掲げる改正前のものである必要があります。
�@ 取引年月日、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目(記録項目)を検索の条件として設定することができること。
�A 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
�B 2以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。


出所:国税庁