国税関係帳簿書類を電磁的記録等により保存等を行う場合、どれくらいの期間保存する必要がありますか。

国税関係帳簿書類を電磁的記録等により保存等を行う場合、どれくらいの期間保存する必要がありますか。

問3 国税関係帳簿書類を電磁的記録等により保存等を行う場合、どれくらいの期間保存する必要がありますか。

 

先生、最近クライアントから「帳簿書類を電子化して保存する場合、どのくらいの期間保存する必要があるのか?」という質問を受けることが増えています。電磁的記録による保存期間について教えてください。


 

いい質問ですね。電磁的記録による保存であっても、紙の書類と同様に、各国税に関する法律で定められた期間保存する必要があります。まず、法人と個人事業者で異なることを理解しておきましょう。


 

法人の場合はどうなりますか?


 

法人の場合、青色申告者・白色申告者を問わず、基本的に帳簿も書類も7年間の保存が必要です。ただし、注意すべき点があります。青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた場合、または青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた場合は、10年間の保存が必要になります。


 

10年間ですか!それは長いですね。具体的にはどのような書類が対象になりますか?


 

帳簿には総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳などがあります。書類には棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などが含まれます。例えば、ある製造業の会社が令和5年3月期に大きな欠損金を計上した場合、その期の帳簿書類は令和15年3月まで保存する必要があります。


 

個人事業者の場合はどうでしょうか?


 

個人事業者は青色申告者と白色申告者で異なります。青色申告者の場合、帳簿と決算関係書類、現金預金取引等関係書類は7年間保存です。ただし、前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下の方は5年間でも構いません。


 

300万円という基準があるんですね。それ以外の書類はどうですか?


 

請求書、見積書、契約書、納品書、送り状などのその他の書類は5年間です。例えば、個人でWebデザイン業を営んでいる方で、令和3年分の事業所得が250万円だった場合、令和5年分の現金預金取引等関係書類は5年間保存すれば大丈夫です。


 

白色申告者の場合は?


 

白色申告者は、法定帳簿(収入金額や必要経費を記載した帳簿)は7年間、任意帳簿は5年間、その他の書類は5年間です。青色申告者より少し短めですね。


 

保存期間の起算日はいつからですか?


 

法人の場合、確定申告書の提出期限の翌日からです。個人事業者の場合、帳簿は閉鎖の日の属する年の翌年3月15日の翌日から、書類は作成または受領の日の属する年の翌年3月15日の翌日からです。


 

消費税についてはどうでしょうか?


 

消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等や、適格請求書発行事業者として交付した適格請求書の写しについては、上記の期間に関わらず7年間保存する必要があります。インボイス制度が始まってからは特に重要なポイントです。


 

雑所得の場合はどうですか?


 

雑所得を生ずべき業務を行う方で、前々年分のその業務に係る収入金額が300万円を超える方は、現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。例えば、副業でアフィリエイト収入が400万円ある会社員の方などが該当します。


 

バックアップデータの保存についてはどうですか?


 

バックアップデータの保存は法令上の要件ではありませんが、保存期間を通じて適切に保存するためには、バックアップデータを保存することが望ましいとされています。電磁的記録は、記録の大量消滅や経年変化による劣化のリスクがあるため、可視性確保の観点からバックアップは重要です。


 

具体的な事例で教えてください。


 

例えば、IT企業のA社が令和5年3月期に青色申告書を提出し、繰越欠損金が発生したとします。この場合、令和5年3月期の帳簿書類は令和15年3月まで10年間保存する必要があります。一方、個人事業者のBさんが令和5年分の事業所得が250万円だった場合、令和5年分の現金預金取引等関係書類は令和11年3月まで5年間保存すればよいということになります。


 

よく分かりました。クライアントには、まず法人か個人事業者かを確認し、青色申告か白色申告かを把握した上で、適切な保存期間をアドバイスするということですね。


 

その通りです。また、消費税の課税事業者かどうかも確認を忘れずに。電子帳簿保存法の要件を満たした適切な保存方法で、必要な期間しっかりと保存することが重要です。バックアップの重要性もあわせて伝えてくださいね。

【回答】

電子帳簿保存法は、国税関係帳簿書類の保存方法等について所得税法、法人税法その他の国税に関する法律の特例を定めるものであることから、電磁的記録についてもそれぞれの法律で定められた期間保存する必要があります。


なお、バックアップデータの保存については、法令上の要件とはなっていませんが、保存期間を通じて適切に保存がなされるためには、バックアップデータを保存することが望まれます。


出所:国税庁


令和7年6月版により問3の内容が差し変わりました。