

先生、最近お客様から電子取引のデータ保存について質問されることが増えたんですが、そもそもどういう制度なんでしょうか?
簡単に言うと、請求書や領収書を電子データでやり取りしたら、そのデータをきちんと保存しなさいという制度だよ。例えば、取引先からメールでPDFの請求書が届いたら、それを紙に印刷して保存するだけではダメで、電子データのまま保存する必要があるんだ。
なるほど。具体的にはどんな取引が対象になるんですか?
日常業務でよくあるケースを挙げると、メールに添付されたPDF請求書、Amazonなどネットショッピングの領収書をダウンロードした場合、クラウド会計ソフトで授受した取引データ、それからクレジットカードの利用明細をWeb上で受け取る場合なんかも全部対象になるね。
思ったより範囲が広いですね。ただデータを保存しておけばいいんですか?
それが、ただ保存すればいいわけじゃないんだ。大きく分けて2つの要件がある。1つ目は真実性の確保、つまりデータが改ざんされていないことを証明できるようにすること。2つ目は可視性の確保で、税務調査の時にすぐ見せられる状態にしておくことだね。
改ざん防止って、具体的にどうすればいいんでしょう?
4つの方法から1つ選べばいいよ。タイムスタンプを付ける方法が一番わかりやすいけど、実務的には訂正削除の履歴が残るクラウドシステムを使うか、事務処理規程を作って運用するという方法を選ぶ会社が多いね。事務処理規程なら特別なシステムがなくても対応できるから、小規模事業者には向いている。
可視性の確保というのは?
税務調査が入った時に、調査官がこの取引先の去年の7月の請求書を見せてくださいと言われて、すぐに出せるようにしておくということ。そのためには、取引年月日、取引先、取引金額の3つで検索できるようにしておく必要があるんだ。
検索機能って、何か専用のシステムが必要なんですか?
必ずしもそうじゃないよ。例えば、Excelで管理台帳を作って、そこにデータの保存場所を記録しておけば、Excel上で検索できるから要件を満たせる。それに、前々年の売上が5,000万円以下の事業者なら、税務調査の時にデータをすぐ提出できる状態にしておけば、検索機能自体が不要になる特例もあるんだ。
5,000万円以下の事業者は検索機能が不要なんですね。他に何か緩和措置はありますか?
令和6年から始まった猶予措置があって、システム整備が間に合わないなど相当の理由がある場合は、保存要件を満たしていなくても、税務調査でデータを提出できればOKとされている。ただし、データそのものは必ず保存しておく必要があるから、紙だけ残して電子データを捨ててしまうのはダメだよ。
実際、お客様にはどうアドバイスすればいいでしょうか?
まず現状を確認することだね。どんな電子取引をしているか洗い出して、それらのデータを今どう管理しているか把握する。その上で、売上規模や社内体制に応じて、事務処理規程で対応するのか、クラウドシステムを導入するのか提案するといい。小規模事業者なら、事務処理規程+Excel管理という組み合わせが現実的だと思うよ。
わかりました。お客様にしっかり説明できそうです!
電子取引データ保存は令和6年1月から本格的に義務化されたから、まだ対応できていない事業者も多い。早めに整備を進めるよう、しっかりサポートしてあげてね。
所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者が取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項)を電磁的方式により授受する取引(電子取引)を行った場合には、その取引情報を電磁的記録により保存しなければならないという制度です(法7)。
所得税法及び法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められていますが、同様の取引情報を電子取引により授受した場合には、その取引情報に係る電磁的記録を一定の方法により保存しなければならないこととされています。
なお、帳簿書類の電磁的作成、備付け、保存に関しては、別冊「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】」において、スキャナ保存に関しては、別冊「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」において解説します。
出所:国税庁
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