電磁的記録の提出について、データの形式や並び順については決まりがありますか。また、 記憶媒体自体についても提示・提出する必要はありますか。

電磁的記録の提出について、データの形式や並び順については決まりがありますか。また、 記憶媒体自体についても提示・提出する必要はありますか。

問21 「ダウンロードの求め(電磁的記録の提示・提出の要求」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出する際のデータの形式や並び順については決まりがありますか。また、 記憶媒体自体についても提示・提出する必要はありますか。

 

先生、税務調査で「ダウンロードの求め」があった場合、データの形式や並び順に決まりはあるのでしょうか?


 

いい質問ですね。実は、データの形式や並び順については厳格な決まりはありません。ただし、税務職員が確認可能な状態で提出する必要があります。


 

確認可能な状態とは、具体的にどのような形式でしょうか?


 

通常出力可能なファイル形式で提供する必要があります。例えば、CSV形式やExcel形式などが一般的ですね。実際の事例では、会計ソフトから仕訳データをCSV形式で出力して提出するケースが多いです。


 

もし検索性に劣る形式で提出した場合はどうなりますか?


 

それは問題になります。例えば、PDF形式で大量の取引データを提出したり、特殊なファイル形式で提出した場合、「ダウンロードの求めに応じたことにはならない」とされる可能性があります。税務職員が効率的に調査できる形式で提出することが重要です。


 

税務職員から特定の形式を指定される場合もありますか?


 

はい、あります。税務職員が通常出力可能な範囲で出力形式を指定する場合があります。例えば、「売上データをCSV形式で、日付順に並べて提出してください」といった具体的な指示を受けることもあります。


 

記憶媒体自体も提出する必要がありますか?


 

これは重要なポイントです。記憶媒体自体の提示・提出までは求められません。ダウンロードの求めは、あくまで電磁的記録の提示・提出を求めるものです。


 

では、パソコンやハードディスクを税務署に持参する必要はないということですね?


 

基本的にはそうです。ただし、税務調査の際には、税務職員が質問検査権に基づいてその記憶媒体の確認を行う場合もあります。つまり、調査官が事業所に来て、パソコンの画面を見せてもらうといったケースですね。


 

実際の調査ではどのような流れになるのでしょうか?


 

実例を挙げると、小売業のお客様の場合、POSシステムの売上データについて「ダウンロードの求め」がありました。この時は、CSV形式で月別・商品別に整理して提出しました。調査官は事業所でPOSシステムの画面も確認しましたが、システム自体の持ち出しは求められませんでした。


 

準備しておくべきことはありますか?


 

日頃から電磁的記録を適切に保存し、必要に応じてCSV形式などで出力できる体制を整えておくことが大切です。また、データの検索性を高めるため、適切なファイル名の付け方や整理方法を決めておくと良いでしょう。


 

クラウド会計ソフトを使用している場合はどうでしょうか?


 

クラウド会計ソフトでも同様です。多くのソフトでは仕訳データや残高試算表をCSV形式で出力できます。ただし、クラウド上のデータにアクセスできることを調査官に示すため、ログイン画面や操作方法を説明する準備も必要です。


 

電子帳簿保存法との関係はありますか?


 

電子帳簿保存法に基づいて電子保存している場合、「ダウンロードの求め」に応じることは法律上の義務です。事前に税務署長の承認を受けている場合も、調査時には適切な形式でデータを提出する必要があります。


 

今後、デジタル化が進む中で注意すべき点は何でしょうか?


 

DX推進により、今後ますます電磁的記録の提出要求が増えると予想されます。単にデータを保存するだけでなく、税務調査に対応できる形で整理・管理することが重要です。特に、検索性や可読性を重視したデータ管理が求められるでしょう。


 

よく分かりました。データの形式に厳格な決まりはないものの、税務職員が確認しやすい形式で提出し、記憶媒体自体の提出は不要だが、現場での確認はあり得るということですね。


税理士: その通りです。税務調査においては、協力的な姿勢で適切な形式のデータを提出することが、円滑な調査につながります。

【回答】

税務調査の際に税務職員が確認可能な状態で提出 され るのであ れば 、当該電磁的記録の形式や並び順は問いませんが、通常出力 可能な ファイル形式等CSV形式等)で提供される必要があります。


また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合について は、当該電磁的記録を保存した記憶 媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その記憶媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。

【解説】

データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにもかかわらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合には、そのダウンロードの求めに応じることができ る ようにしていたことにはなりません( 取扱通達 4−14 参照)。保存時に満たすべき要件を充足するためには、通常出力が可能なファイル形式等CSV形式等)で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがあるわけではありません。


なお、「ダウンロードの求め」は、電磁的記録の提示・提出を求めるものであり、この電磁的記録が格納されている記憶 媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、税務職員が 質問検査権に基づいてその記憶媒体の確認を行う場合もあります。


出所:国税庁