どの時点における電磁的記録を保存する必要がありますか。

どの時点における電磁的記録を保存する必要がありますか。

問23 国税関係書類を電磁的記録により保存する場合、具体的にどの時点における電磁的記録を保存する必要がありますか。

 

先生、国税関係書類を電磁的記録で保存する場合、具体的にどの時点の電磁的記録を保存すればよいのでしょうか?作成中のファイルも保存が必要ですか?


 

良い質問ですね。国税関係書類の電磁的記録保存では、作成中のファイルではなく、書類が作成された時点の電磁的記録を保存する必要があります。国税関係帳簿とは異なり、書類は作成と同時に保存が開始されるんです。


 

「作成された時点」というのは、具体的にはどのタイミングを指すのでしょうか?


 

それは書類の種類によって異なります。大きく分けて2つのパターンがあります。まず、請求書や見積書など相手方に交付する書類の場合は、実際に相手方に交付した時点の電磁的記録を保存します。


 

具体的な事例で教えていただけますか?


 

例えば、A社に見積書を提出する場合を考えてみましょう。最初に100万円の見積書を作成して交付したとします。その後、仕様変更があって120万円に修正した見積書を再度交付したとしましょう。この場合、100万円の見積書と120万円の見積書、両方の電磁的記録を保存する必要があります。


 

なるほど。では、相手方に交付しない書類の場合はどうでしょうか?


 

決算関係書類など相手方に交付されない書類については、その書類の性質に応じて作成を了したと認められる時点の電磁的記録を保存します。例えば、貸借対照表なら決算が確定した時点、棚卸表なら棚卸作業が完了した時点ということになります。


 

実務上、注意すべき点はありますか?


 

はい。特に請求書の場合、書面で印刷して相手方に郵送したタイミングの電磁的記録を保存することが重要です。また、メールで送付する場合は、実際にメール送信した時点のデータを保存する必要があります。作成途中の下書きファイルではダメということを覚えておいてください。


 

電子帳簿保存法の要件を満たすためには、このタイミングでの保存が必須なんですね。


 

その通りです。適切なタイミングでの電磁的記録保存は、税務調査時の証拠能力にも関わってきます。システム導入時には、この点を十分に検討して運用ルールを決めることが大切ですね。


佐藤: その通りです。適切なタイミングでの電磁的記録保存は、税務調査時の証拠能力にも関わってきます。システム導入時には、この点を十分に検討して運用ルールを決めることが大切ですね。

【回答】

保存義務者によって作成している書類がまちまちであることから、一概にいうことはできませんが、一般的には、次に掲げる書類の区分に応じ、それぞれ次に掲げる時点の電磁的記録が保存すべきものになると考えられます。

請求書等の相手方に交付する書類
実際に相手方に交付した時点における電磁的記録
(注) 例えば、見積内容の変更の都度、相手方に見積書を交付した場合には、交付した全ての見積書に係る電磁的記録を保存する必要があります。
その他の書類
その書類の性質に応じ、その書類の作成を了したと認められる時点における電磁的記録

【解説】

国税関係書類には国税関係帳簿のような備付期間がなく、作成と同時に保存が開始されるものであるため、保存を要する国税関係書類に係る電磁的記録は、電子計算機により書類を作成する場合の作成中のものをいうのではなく、当該書類が作成された時点のものということとなります。


ここにいう「当該書類が作成された時点のもの」とは、作成される国税関係書類の種類により異なりますが、請求書のように相手方に交付される書類に係る電磁的記録の場合には、これを書面に出力して相手方に交付した時点の電磁的記録をいい、相手方に交付されないような書類(決算関係書類等)に係る電磁的記録の場合には、その書類の性質に応じ、その書類の作成を了したと認められる時点の電磁的記録をいうこととなります。


出所:国税庁