パソコンにより作成した請求書等を出力した書面に代表者印等を押印して相手方に送付した場合

パソコンにより作成した請求書等を出力した書面に代表者印等を押印して相手方に送付した場合

問25 パソコンにより作成した請求書等を出力した書面に代表者印等を押印して相手方に送付した場合については、自己が一貫して電子計算機を使用して作成した国税関係書類に該当するものとして、代表者印等が表示されていない状態の電磁的記録の保存をもってその請求書等の控え自己の保存に代えることはできますか。

 

今日は電子帳簿保存法について質問があるそうですね。


 

はい、先生。クライアントから「パソコンで作成した請求書を印刷して代表者印を押印して送付している場合、印影のない電子データで保存できるのか」という質問を受けまして...


 

なるほど、よくある質問ですね。結論から申し上げると、代表者印等を押印して送付した場合でも、印影のない電磁的記録での保存は認められます。


 

えっ、そうなんですか?印を押しているのに、印影のないデータで保存できるって不思議ですね。


 

ポイントは「自己が一貫して電子計算機を使用して作成した国税関係書類」に該当するかどうかなんです。


具体的な事例で理解しよう


 

具体的にはどういうことでしょうか?


 

例えば、A社がパソコンで請求書を作成して、以下のような流れで処理したとしましょう。

  1. 会計ソフトで請求書を作成
  2. プリンターで印刷
  3. 代表者印を押印
  4. 取引先に郵送

この場合、元のデータ(印影なし)で保存できるんです。


 

なぜ印影がなくても大丈夫なんですか?


 

代表者印の押印は、電子データに「新たな情報を付加した」とは見なされないからです。印鑑は書類の真正性を担保するものであって、取引内容そのものを変更するものではありませんからね。


認められない場合の例


 

逆に、どんな場合がダメなんですか?


 

例えば、印刷した請求書に手書きで「消費税10%」と書き加えたり、金額を修正したりした場合です。


 

なるほど!それは元のデータと内容が違ってしまいますね。


 

その通りです。この場合は「一貫して電子計算機を使用して作成した」とは言えなくなってしまいます。


実務上の注意点


 

実務上、気をつけるべきことはありますか?


 

はい、いくつかポイントがあります。
1. 電子帳簿保存法の要件を満たすこと

  • 適切なシステムでの保存
  • 検索機能の確保
  • 可視性の確保

2. 代表者印以外の加筆は避ける

  • 手書きでの修正は禁物
  • 追記も控える

3. 保存データと送付書面の整合性

  • 代表者印以外は同一内容であること



 

クライアントには、「代表者印を押印して送付しても、印影のない電子データで保存できます」と説明すれば良いですね。


 

そうですね。ただし、「代表者印以外の加筆や修正がない場合に限る」という条件も忘れずに伝えてください。


まとめ


 

整理すると、パソコンで作成した請求書に代表者印を押印して送付する場合、印影のない電子データでの保存が認められるのは、「自己が一貫して電子計算機を使用して作成した」書類に該当するからなんですね。


 

完璧です!代表者印は「新たな情報の付加」ではなく、書類の真正性を担保するものとして扱われるということですね。


佐藤スタッフ:これで自信を持ってクライアントに説明できます。ありがとうございました!

【回答】

いずれも認められます。


ただし、定形のフォーマットに自動反映されるデータベースについては、税務調査等の際に、税務職員の求めに応じて、実際に相手方へ送付したものと同じ状態を定形のフォーマットに出力するなどの方法によって遅滞なく復元できる必要があります。

【解説】

請求書等の国税関係書類について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成している場合は、一定の要件のもと、その書類の保存に代えて電磁的記録により保存することができます。そのため、パソコン等により国税関係書類を作成しても、データを出力した後に加筆等を行って相手方へ郵送しているような場合には、出力したものと電子データとして保存するものの内容が相違することから「自己が一貫して電子計算機を使用して作成している場合」に該当せず、基本的にはこの方法により保存を行うことができません。


一方で、例えば出力書面に代表者印等を押印したものを郵送しているだけの場合には、代表者印等という情報以外が追加されているものではないため、それ以外に加筆等による情報の追加等がない限り、自己が一貫して電子計算機を使用して作成している場合に該当するものとして取り扱って差し支えありません。


また、法第4条第2項では、「国税関係書類に係る電磁的記録の保存」を行う必要があることから、原則として、相手方に送付したものと同じ状態の電子データを保存する必要があります。しかし、データベースの内容を定形のフォーマットに自動反映させる形で請求書等を作成・出力している場合には、当該データベースが保存されていれば実際に相手方へ送付した請求書等と同じ状態のものを確実に復元することができることから、税務調査等の際に、税務職員の求めに応じて、実際に相手方へ送付したものと同じ状態を定形のフォーマットに出力するなどの方法によ って遅滞なく復元できる場合には、当該データベースの保存をもって請求書等の控えの保存に代えることとして差し支えありません。


出所:国税庁