電磁的記録の記録事項を訂正し又は削除することができるシステムを使用している場合は、訂正削除の履歴の全てについて残すことができる必要がありますか。

電磁的記録の記録事項を訂正し又は削除することができるシステムを使用している場合は、訂正削除の履歴の全てについて残すことができる必要がありますか。

問27 電磁的記録の記録事項を訂正し又は削除することができるシステムを使用している場合は、訂正削除の履歴の全てについて残すことができる必要がありますか。

 

先生、電磁的記録の訂正削除履歴って、本当に全部残さなきゃいけないんですか?うちの会計システム、履歴機能がちょっと重くて...


 

実は「全て残す必要がある」というのは半分正解で半分不正解なんですよ。確かに原則的には履歴を残すのが望ましいんですが、例外もあるんです。


 

例外?それって抜け道みたいな感じですか?


 

いやいや、抜け道じゃなくて、税務当局も実務の実態を考慮してくれているんです。入力ミスって、普通は気づいたらすぐに直しますよね?


1週間以内の入力誤り訂正なら履歴不要の特例


 

そうですね。私も入力した直後に「あ、間違えた!」って気づくことが多いです。


 

まさにその通り!だから、入力した日から1週間以内の入力誤りについては、履歴を残さないシステムの使用が認められているんです。ただし、条件がありますよ。


 

条件というと?


 

まず、内部規程で「入力誤りの訂正期間」をあらかじめ定めておくこと。そして、その期間が入力日から1週間を超えないこと。この2つです。


 

なるほど!つまり、「うちの会社では入力後3日以内なら履歴なしで修正OK」みたいな規程を作っておけばいいんですね。


 

その通り!ただし、3日と決めたら3日、5日と決めたら5日できちんと運用しないといけませんよ。規程だけ作って守らないのは論外です(笑)


具体的なシステム例:直接訂正と反対仕訳


 

具体的にはどんなシステムが使えるんですか?


 

主に2つのパターンがあります。まず「直接訂正型」。これは入力日から設定期間内なら、元の記録を直接書き換えられるシステムです。


 

ああ、よくある「編集」機能みたいなものですね。


 

そうです。もう一つは「反対仕訳型」。期間内は直接修正できるけど、期間を過ぎたら反対仕訳でしか修正できないシステムです。


 

反対仕訳って、例えば売上100万円を間違えて入力した場合、マイナス100万円の仕訳を入れて、正しい金額で再入力するってことですか?


 

まさにそれです!ただし、反対仕訳には「どの仕訳を修正したか」がわかる情報を付けておく必要があります。じゃないと、後で税務調査が来たときに説明できませんからね。


履歴を残すべき「優良な電子帳簿」の範囲


 

ところで、全ての記録に履歴が必要なわけじゃないんですよね?


 

鋭い質問ですね!「優良な電子帳簿に係る電磁的記録」が対象になります。これは各税法で定められている国税関係帳簿の記載事項のことです。


 

具体的には?


 

例えば、固定資産台帳なら「供用開始日・除却日とその事由」「耐用年数」「事業使用割合」などですね。課税標準や税額計算に必要な情報は基本的に対象になると考えてください。


 

なるほど。メモ程度の記録は対象外ということですね。


 

その通り!ただし、帳簿に記載されている限りは、たとえ「ちょっとしたメモ」でも対象になる可能性があります。油断は禁物ですよ(笑)


実務での注意点とまとめ


 

実際の運用で気をつけることはありますか?


 

まず、内部規程をきちんと作って、全員が守ること。そして、1週間の特例はあくまで「入力誤り」が対象だということです。意図的な修正は別問題ですからね。


 

意図的な修正って?


 

例えば、決算修正や会計方針の変更などです。これらは「入力誤り」じゃないので、履歴を残す必要があります。


 

最後に、システム選びのポイントはありますか?


 

履歴管理機能がしっかりしているか、期間設定が柔軟にできるか、そして操作が簡単か。特に操作が複雑だと、スタッフが使いこなせずに結局手間が増えることもありますからね。


 

確かに!「高機能だけど使いにくい」システムって、宝の持ち腐れになりがちですよね。


 

そうそう。システムは使われてナンボです。電磁的記録の管理は、適切な仕組みづくりと継続的な運用が何より大切ですよ。


 

よくわかりました!早速、内部規程の見直しから始めてみます。


 

それがいいでしょう。何か疑問があったら、いつでも聞いてくださいね。税務は正確性が命ですから!

【回答】

入力誤りについて訂正又は削除を行うための期間があらかじめ内部規程等に定められており、かつ、その期間が入力した日から1週間を超えない場合には、その期間について訂正又は削除の履歴を残さないシステムを使用することが認められます。

【解説】

優良な電子帳簿に係る電磁的記録の訂正削除の履歴は、その全てについて残されることが望ましいですが、入力後速やかにその入力内容を確認し入力誤りについて訂正又は削除をすることも一般的であり、そのような訂正又は削除についてまで、その履歴の確保を求めるのは、コンピュータ処理の実態に即さないとも考えられます。


このため、そのような訂正又は削除を行うための期間があらかじめ内部規程等(規則第2条第2項第1号ニに掲げる事務手続を定めた書類)に定められており、かつ、その期間が入力した日から1週間を超えない場合には、便宜上、その期間について訂正又は削除の履歴を残さないシステムを使用することが認められます(取扱通達8−10)。


一定の期間について訂正削除履歴を残さないシステムとしては、例えば、次の訂正又は削除の方法の区分に応じ、次のようなものが考えられます。


記録事項を直接に訂正し又は削除する方法
 電磁的記録の記録事項に係る当初の入力日から訂正又は削除をすることができる期間を自動的に判定し、当該期間内における訂正又は削除については履歴を残さないこととしているシステム

いわゆる反対仕訳により訂正し又は削除する方法
 電磁的記録の記録事項に係る当初の入力日から訂正又は削除をすることができる期間を自動的に判定し、当該期間が経過するまでは記録事項を直接に訂正し又は削除することができるが、当該期間が経過した後においてはいわゆる反対仕訳による方法によってしか記録事項を訂正し又は削除することができないシステム


(注)

 訂正削除の履歴を残す必要がある「優良な電子帳簿に係る電磁的記録」とは、各税法で定められている国税関係帳簿に係る記載事項(例:所得税法施行規則第58条第1項に規定する財務大臣告示における「記載事項」欄に記載されている事項、法人税法施行規則別表22の「記載事項」欄に記載されている事項)に係る電磁的記録をいいます。


例えば、減価償却資産については、資産の種類や耐用年数ごとに「取引の年月日、事由、相手方、数量及び金額」を記載すべき旨が法令で定められていますので、これらに係る電磁的記録(供用開始や除却の年月日、事業専用割合に係るものを含む)が固定資産台帳に記載されている場合、その訂正削除履歴を記録する必要があります。なお、固定資産台帳には、税額計算の便宜から期首帳簿価額や当期償却額などが記載されている場合もあります。これらの事項については、事後検証の観点から訂正削除履歴を記録することが望ましいものの、法令上求められている記載事項には該当しませんので、それらの訂正削除履歴が記録されていないことをもって、優良な電子帳簿に該当しないと判断されるものではありません。


出所:国税庁


令和7年6月版で改定あり