

おはようございます。今日は電子帳簿保存法の過少申告加算税軽減措置について、どの帳簿が対象になるかを詳しく説明しますね。
よろしくお願いします!クライアントから「全ての帳簿が必要なの?」という質問が多くて困っているんです。
まず大前提として、軽減措置を受けるには「適用を受けようとする税目に係る全ての特例国税関係帳簿」が優良な電子帳簿の要件を満たしている必要があります。
「全て」というのがポイントなんですね。一部だけでは駄目なんですか?
その通りです。例えば、仕訳帳は電子化されているけど総勘定元帳は紙のまま、という状況では軽減措置は受けられません。
具体的に所得税ではどの帳簿が必要ですか?
所得税では所得税法施行規則第58条に基づいて、仕訳帳、総勘定元帳、その他必要な帳簿が対象です。「その他」の部分が重要で、事業の内容によって変わります。
例えばどんな帳簿ですか?
不動産賃貸業の方なら、家賃収入を管理する収入帳、修繕費などを記録する経費帳、敷金・保証金を管理する預り金台帳などですね。製造業なら売上帳、仕入帳、在庫管理帳などが該当します。
法人税では法人税法施行規則第54条に規定される帳簿が対象です。基本は同じく仕訳帳、総勘定元帳ですが、「その他必要な帳簿」の範囲が少し異なります。
どんな違いがあるんですか?
例えば、法人の場合は有価証券管理台帳や減価償却資産台帳が明確に含まれています。また、売掛金管理帳、買掛金管理帳なども対象になります。
消費税はどうでしょうか?
消費税法第30条第7項などに規定される帳簿です。通常は所得税や法人税の帳簿と重複しますが、注意が必要なケースがあります。
どんなケースですか?
例えば、賃金台帳は法人税では特例国税関係帳簿ではありませんが、通勤手当を管理している場合は消費税の特例国税関係帳簿に該当する可能性があります。
支店や事業部ごとに帳簿を作成している会社はどうすればいいですか?
全ての支店・事業部の特例国税関係帳簿が優良な電子帳簿である必要があります。本社だけ電子化していても、支店が紙の帳簿を使っていれば軽減措置は受けられません。
複数の会計ソフトを使っている場合は?
それぞれのソフトで作成される帳簿が全て優良な電子帳簿の要件を満たしていれば大丈夫です。ただし、帳簿間の関連性を確認できる状態にしておく必要があります。
商品有高帳のように、税法で定められた青色申告関係帳簿の記載事項に含まれない帳簿は、優良な電子帳簿でなくても軽減措置には影響しません。
手書きのメモ帳なども併用していても大丈夫ですか?
主要な青色申告関係帳簿等が優良な電子帳簿の要件を満たしていれば問題ありません。ただし、課税期間の初日から要件を満たしている必要があります。
軽減措置を受けるには、対象となる税目の全ての特例国税関係帳簿が優良な電子帳簿である必要があります。事前の届出書提出も忘れずに。
クライアントには「全ての帳簿」が必要だということを、しっかり説明します!
そうですね。一部だけでは意味がないということを、強調して伝えてください。
法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の対象となる特例国税関係帳簿とは、所得税法施行規則第58条第1項(取引に関する帳簿及び記載事項)に規定する仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(※1)、法人税法施行規則第54条(取引に関する帳簿及び記載事項)に規定する仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(※2)又は消費税法第30条第7項(仕入れに係る消費税額の控除)、第38条第2項(売上に係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除)、第38条の2第2項(特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控除)及び第58条(帳簿の備付け等)に規定する帳簿(※3)を指し、適用を受けようとする税目に係る全ての帳簿を規則第5条第4項[令和8年12月31日までは規則第5条第5項となります。(以下同じ。)]の要件に従って保存し、かつ、あらかじめ本措置の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出する必要があります。
※1 上記の所得税法施行規則第58条第1項に規定する「その他必要な帳簿」とは、規則第5条第1項に規定する財務大臣の定める取引に関する事項(次の表のとおり、所得税に係る帳簿の種類に応じて、それぞれ以下の事項。)の記載に係るものをいいます。
| 所得税に係る帳簿の種類 | 財務大臣の定める取引に関する事項 |
| 不動産所得を生ずべき業務につき備え付ける帳簿 |
@ 手形(融通手形を除きます。以下、本表において同じです。)上の債権債務に関する事項A 上記@以外の債権債務に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除きます。) |
| 事業所得(農業から生ずる所得を除きます。)を生ずべき業務につき備え付ける帳簿 |
@ 手形上の債権債務に関する事項A 売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含みます。)に関する事項 |
| 事業所得(農業から生ずる所得に限ります。)を生ずべ業務につき備え付ける帳簿 |
@ 債権債務に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除きます。)A 減価償却資産等に関する事項 |
| 山林所得を生ずべき業務につき備え付ける帳簿 |
@ 債権債務に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除きます。)A 減価償却資産等に関する事項 |
※2 上記の法人税法施行規則第54条に規定する「その他必要な帳簿」とは、手形(融通手形を除 きます。)上の債権債務に関する事項、売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含 みます。)その他債権に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除 きます。)、買掛金(未払加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含みます。)その他債務に関する事項、法人税法第2条第21号(定義)に規定する有価証券(商品であるものを除きます。)に関する事項、同条第23号に規定する減価償却資産に関する事項、同条第24号に規定する繰延資産に関する事項、売上げ(加工その他の役務の給付その他売上げと同様の性質を有するものを含 みます。)その他収入に関する事項及び仕入れその他経費(賃金、給料手当、法定福利費及び厚生費を除 きます。)に関する事項の記載に係るものをいいます。
※3 上記の消費税法第30条第7項、第38条第2項、第38条の2第2項及び第58条に規定する帳簿については、通常は、所得税法及び法人税法上の帳簿が消費税法上の帳簿を兼ねているものと考えられますが、特例国税関係帳簿に該当するか否かについては税目ごとに判別する必要があります。例えば、賃金台帳は、法人税に関する特例国税関係帳簿に該当しませんが、その中で通勤手当 消費税の課税仕入れに該当するもの)を管理している場合には、消費税に関する特例国税関係帳簿に該当することになります。
なお、総勘定元帳や仕訳帳以外の帳簿は納税者が行う事業の業種や規模によって異なり、保存義務者によって作成している帳簿は まちまちですが、例えば、売上帳、経費帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳等の帳簿を作成している場合には、各帳簿について規則第5条第4項の要件に従って保存する必要があります。
過少申告加算税の軽減措置を受けるために要件を満たしていなければならない帳簿については、法第8条第4項柱書において「次に掲げる国税関係帳簿であって財務省令で定めるもの」としており、規則第5条第1項柱書に おいて 「修正申告等の基因となる事項に係る所得税法施行規則第58条第1項に規定する仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(財務大臣の定める取引に関する事項の記載に係るものに限る。)、法人税法施行規則第54条に規定する仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(手形(融通手形を除く。)上の債権債務に関する事項、売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含む。)その他債権に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除く。)、買掛金(未払加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含む。)その他債務に関する事項、法人税法第二条第二十一号(定義)に規定する有価証券(商品であるものを除く。)に関する事項、同条第二十三号に規定する減価償却資産に関する事項、同条第二十四号に規定する繰延資産に関する事項、売上げ(加工その他の役務の給付その他売上げと同様の性質を有するものを含む。)その他収入に関する事項及び仕入れその他経費(賃金、給料手当、法定福利費及び厚生費を除く。)に関する事項の記載に係るものに限る。)又は消費税法第30条第7項、第38条2項、第38条の2第2項及び第58条に規定する帳簿」と規定されています。
この規則第5条第1項柱書の規定は、所得税法上の青色申告者又は法人税法上の青色申告法人が保存しなければならないこととされる帳簿のうち、仕訳帳及び総勘定元帳以外の必要な帳簿(補助簿)について、申告(課税所得)に直接結びつきやすい経理誤り全体を是正しやすくするかどうかといった観点から、課税標準や税額の計算に直接影響を及ぼす損益計算書に記載する科目についてはその科目に関する補助簿の全てを、貸借対照表に記載する科目については損益計算書に記載する科目との関連性が強くその科目の変動について把握する必要性が高い科目に関する補助簿のみを、それぞれ対象とすることを意図して規定されており 、これらの帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存が「国税の納税義務の適正な履行に資するものとして財務省令で定める要件」(すなわち優良な電子帳簿の要件)を満たしている場合に、過少申告加算税の軽減措置が適用されます。
なお、当該規則の規定における「修正申告等の基因となる事項に係る」との文言については、その申告漏れとなっている所得金額等に係る税目以外の税目に係る帳簿が優良な電子帳簿の要件を満たしているか否かに左右されないことを明らかにするための文言であって、保存義務者が作成している特例国税関係帳簿の一部の帳簿が優良な電子帳簿である場合にも過少申告加算税の軽減措置を受けられることを前提としているわけではありません。
出所:国税庁

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