

先生、クライアントの株式会社A商事さんから質問がありまして。当社は事業部や支店ごとに帳簿を作成しているんですが、過少申告加算税の軽減措置を受けたい場合、その事業部や支店の帳簿についても、優良な電子帳簿の要件で保存する必要があるんでしょうか?
なるほど、これは実務でよくある質問ですね。結論から言うと、全ての事業部・支店の帳簿も含めて優良電子帳簿要件を満たす必要があります。
えっ、全部なんですか?本社だけではダメということですね?
その通りです。法第8条第4項の過少申告加算税軽減措置は、保存義務者が保存すべき特例国税関係帳簿の全てが対象になるんです。つまり、本社で作成する帳簿だけでなく、各事業部や支店で作成している帳簿も含まれるということです。
具体的にはどういうことでしょうか?A商事さんの場合、東京本社、大阪支店、福岡支店があって、それぞれで売上帳や経費帳を作成しているんです。
まさにそのケースですね。A商事さんの場合だと、以下の帳簿が対象になります
これら全ての特例国税関係帳簿が規則第5条第4項の優良電子帳簿要件を満たしていないと、軽減措置は適用されません。
ということは、もし大阪支店の売上帳だけが要件を満たしていなかったら、全体として軽減措置は受けられないということですか?
まさにその通りです。一つでも要件を満たしていない帳簿があれば、軽減措置の適用は受けられません。これが電子帳簿保存法の厳しいところですね。
それは厳しいですね。ちなみに、特例国税関係帳簿って具体的にはどんな帳簿が含まれるんでしょうか?
良い質問ですね。特例国税関係帳簿は税目によって少し違いがあります:
法人税の場合
賃金台帳はどうなんでしょうか?各支店でパートさんの給与計算をしているんです。
賃金台帳は面白いケースですね。法人税では特例国税関係帳簿に該当しませんが、消費税では該当する可能性があります。例えば、通勤手当を管理している賃金台帳であれば、消費税の特例国税関係帳簿になる可能性が高いです。
なるほど、税目ごとに判断が必要なんですね。優良電子帳簿の要件についても教えていただけますか?
優良電子帳簿の要件は規則第5条第4項に定められていて、主要なものは以下の通りです:
A商事さんの場合、各支店で使っている会計ソフトが違うんですが、大丈夫でしょうか?
それは注意が必要ですね。各支店で使用している会計ソフト全てが優良電子帳簿の要件を満たしている必要があります。もし一つの支店でも要件を満たしていないソフトを使っていれば、全体として軽減措置は受けられません。
では、対策としてはどうすれば良いでしょうか?
いくつかの選択肢があります:
届出のタイミングも重要なんですね。
そうです。適用を受けようとする国税の法定申告期限の3月前の日までに「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認を求める届出書」を提出する必要があります。
A商事さんには、まず現在の各支店の会計ソフトの対応状況を確認していただいて、全体的な対応方針を検討していただくということですね。
その通りです。電子帳簿保存法の過少申告加算税軽減措置は、全社一体での対応が不可欠です。部分的な対応では効果がないので、しっかりとした計画立案が重要ですね。
よく分かりました。早速A商事さんに現状確認をしていただくよう連絡いたします。ありがとうございました!
はい、何か他にも疑問点があれば、いつでも相談してくださいね。電子帳簿保存法は複雑な制度なので、慎重に対応していきましょう。
法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける場合には、事業部や支店ごとに国税関係帳簿を備え付けている場合であっても、その全ての特例国税関係帳簿について、規則第5条第4項[令和8年12月31日までは規則第5条第5項となります。(以下同じ。)]に規定する優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行う必要があります。
法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする場合には、特例国税関係帳簿のうち、その適用を受けようとする税目ごとに保存義務者が保存等を行うべき帳簿(事業部又は支店ごとに作成している帳簿を含みます。について、規則第5条第4項の要件を満たして電磁的記録による保存等を行っている必要があります。
そのため、事業部又は支店ごとに作成している国税関係帳簿であっても、特例国税関係帳簿に該当するものは全て規則第5条第4項の要件を満たして保存していなければ、過少申告加算税の軽減措置は受けられないこととなります。
なお、法第8条第4項の規定の適用対象となる特例国税関係帳簿とは、所得税法施行規則第58条第1項に規定する仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(財務大臣の定める取引に関する事項の記載に係るものに限ります。)、法人税法施行規則第54条に規定する仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(手形(融通手形を除きます。)上の債権債務に関する事項、売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含みます。)その他債権に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除きます。)、買掛金(未払加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含みます。)その他債務に関する事項、法人税法第2条第21号(定義)に規定する有価証券(商品であるものを除きます。)に関する事項、同条第23号に規定する減価償却資産に関する事項、同条第24号に規定する繰延資産に関する事項、売上げ(加工その他の役務の給付その他売上げと同様の性質を有するものを含みます。)その他収入に関する事項及び仕入れその他経費(賃金、給料手当、法定福利費及び厚生費を除きます。)に関する事項の記載に係るものに限ります。) 又は消費税法第30条第7項(仕入れに係る消費税額の控除)、第38条第2項(売上に係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除)、第38条の2第2項(特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控除)及び第58条(帳簿の備付け等)に規定する帳簿を指します。
出所:国税庁
.png)

.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)