個人が年の中途に不動産所得を生ずべき業務を開始するため、新たな帳簿を備え付けることとなる場合に、当該帳簿について優良な電子帳簿の要件を全て満たして保存等を行えば、その年から過少申告加算税の軽減措置の規定の適用を受けることができますか。また、できるとした場合に、その規定の適用を受ける旨等を記載した届出書はいつまでに提出すればよいのでしょうか。

個人が年の中途に不動産所得を生ずべき業務を開始するため、新たな帳簿を備え付けることとなる場合に、当該帳簿について優良な電子帳簿の要件を全て満たして保存等を行えば、その年から過少申告加算税の軽減措置の規定の適用を受けることができますか。また、できるとした場合に、その規定の適用を受ける旨等を記載した届出書はいつまでに提出すればよいのでしょうか。

問44 個人が年の中途に不動産所得を生ずべき業務を開始するため、新たな帳簿を備え付けることとなる場合に、当該帳簿について優良な電子帳簿の要件を全て満たして保存等を行えば、その年から過少申告加算税の軽減措置の規定の適用を受けることができますか。また、できるとした場合に、その規定の適用を受ける旨等を記載した届出書はいつまでに提出すればよいのでしょうか。

 

おはようございます。今日は電子帳簿の過少申告加算税軽減措置について、実務でよく質問される内容を一緒に整理しましょう。特に年途中で不動産所得業務を開始するケースについて詳しく見ていきますね。


 

おはようございます。最近、年途中で賃貸マンションを購入されたお客様から、電子帳簿の軽減措置について質問がありました。その年から適用を受けられるのでしょうか?


年途中開始でも軽減措置の適用は可能


 

はい、結論から申し上げると適用可能です。個人が年の途中で不動産所得を生ずべき業務を開始し、新たに帳簿を備え付ける場合でも、業務開始日から優良な電子帳簿の要件をすべて満たして保存等を行えば、その年から過少申告加算税の軽減措置を受けることができます。


 

それは良いニュースですね。具体的にはどのような条件が必要なのでしょうか?


 

ポイントは以下の通りです。まず、不動産所得、事業所得、山林所得のいずれの業務も行っていなかった個人が対象であること。そして、業務開始の日から優良な電子帳簿の要件をすべて満たした帳簿の備付け及び保存を開始することが必要です。


実務での具体例


 

具体例で教えていただけますか?


 

例えば、会社員のAさんが令和6年7月に初めて賃貸用マンションを購入し、不動産所得業務を開始したとします。この場合、7月から優良な電子帳簿の要件を満たした帳簿を作成・保存していれば、令和6年分の所得税から軽減措置の適用を受けることができます。


 

なるほど。では、優良な電子帳簿の要件とは具体的にどのようなものでしょうか?


 

主な要件は以下の通りです。訂正・削除履歴が残る仕様であること、相互関連性が確保されていること、関係書類等の電子化による備付け・保存がされていること、検索機能を確保することなどです。市販の会計ソフトであれば、多くがこれらの要件を満たしています。


届出書の提出期限が重要


 

軽減措置を受けるためには届出書の提出が必要ですよね?いつまでに提出すればよいのでしょうか?


 

非常に重要なポイントです。特例適用届出書は、その年分に係る所得税の法定申告期限までに、納税地等の所轄税務署長宛に提出する必要があります。つまり、令和6年中に業務を開始した場合は、令和7年3月17日(令和6年分の確定申告期限)までに提出しなければなりません。


 

確定申告と同時に提出することも可能ですか?


 

はい、可能です。取扱通達8-5により、適用を受けようとする国税の法定申告期限までに提出があれば、「あらかじめ」の要件を満たすものとして取り扱われます。ただし、届出を忘れないよう、できるだけ早めの提出をお勧めします。


軽減措置の効果


 

この軽減措置を受けると、具体的にどの程度の税額軽減効果があるのでしょうか?


 

優良な電子帳簿に関する軽減措置では、過少申告加算税の税率が通常の10%から5%に軽減されます。ただし、期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については、通常通り15%の税率が適用されます。


 

例えば、過少申告税額が30万円の場合はどうなりますか?


 

その場合、30万円×5%=1.5万円の過少申告加算税となります。通常であれば30万円×10%=3万円ですから、1.5万円の軽減効果があることになります。


実務上の注意点


 

実務で気をつけるべき点はありますか?


 

いくつかあります。まず、業務開始日の確定が重要です。賃貸借契約の開始日、物件の引渡し日など、いつから不動産所得業務が開始されたかを明確にしておく必要があります。また、優良な電子帳簿の要件を満たした会計ソフトの選択と、適切な設定も重要です。


 

他に注意すべき点はありますか?


 

帳簿の備付けが業務開始日から継続して適切に行われていることが条件です。途中で記帳が止まってしまったり、要件を満たさない方法に変更したりすると、軽減措置の適用が受けられなくなる可能性があります。継続性が重要なポイントです。


まとめ


 

年途中で不動産所得業務を開始した場合でも、適切な手続きを踏めば、その年から電子帳簿の過少申告加算税軽減措置を受けることができます。ただし、届出書の提出期限を守ることと、優良な電子帳簿の要件を継続して満たすことが必要です。


 

理解できました。お客様には業務開始と同時に適切な会計ソフトを導入していただき、早めに届出書を提出するようアドバイスいたします。ありがとうございました。


 

税制のデジタル化が進む中で、このような軽減措置を活用することで、納税者の負担軽減と適正な申告の促進が期待されています。お客様にとってメリットのある制度なので、積極的にご案内していきましょう。

【回答】

不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務のいずれの業務も行っていない個人が年の中途に業務を開始したことにより新たに帳簿を付けることとなり、その業務開始の日から備付けを開始する国税関係帳簿を優良な電子帳簿の要件を満たして保存等する場合には、その業務開始の年から優良な電子帳簿に係る 過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることができます。


その場合には、その年分に係る所得税の法定申告期限までに規則第5条第1項に規定する法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を納税地等の所轄税務署長宛に提出する必要があります。

【解説】

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けようとする場合には、課税期間の初日から優良な電子帳簿の要件を満たして備付けを開始する必要がありますが、例えば、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務のいずれの業務も行っていない個人が年の中途に新たに不動産所得を生ずべき業務を開始したような場合には、例外的に課税期間の中途の日が国税関係帳簿の備付け開始日となるため(取扱通達4−4)、その新たな業務を開始した日から優良な電子帳簿の備付けを開始していれば、その業務開始の年から本措置の適用を受けることができます。


なお、規則第5条第1項に規定する法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書については、その年分に係る所得税の法定申告期限までに提出していれば、あらかじめ届出書の提出があったものとして過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることが可能となります(取扱通達8−5)。


出所:国税庁