法人税に係る特例国税関係帳簿を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出することができるのでしょうか。

法人税に係る特例国税関係帳簿を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出することができるのでしょうか。

問45 法人税に係る特例国税関係帳簿を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出することができるのでしょうか。

 

先生、お疲れ様です。電子帳簿保存法について質問があります。法人税に係る特例国税関係帳簿を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項の過少申告加算税の軽減措置の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出することはできるのでしょうか?


 

それは重要な質問ですね。結論から申し上げると、各事業所の長が各事業所の所轄税務署長に届出書を提出することはできません。


 

えっ、そうなんですか?てっきり事業所ごとに管理しているなら、各事業所で手続きができると思っていました。


 

その考えは自然ですが、電子帳簿保存法の仕組みが違うんです。まず、提出主体について説明しましょう。特例適用届出書を提出できるのは「保存義務者」だけなんです。


 

保存義務者というのは、各事業所の長ではないということですか?


 

その通りです。電子帳簿保存法において、保存義務者とは「国税に関する法律の規定により国税関係帳簿書類の保存をしなければならない者」と定義されています。法人税法では、この保存義務者は法人自体とされているんです。


 

なるほど。では、各事業所の長は保存義務者には該当しないということですね。


 

正解です。さらに、提出先についても重要なポイントがあります。特例適用届出書はどこに提出すると思いますか?


 

各事業所の所轄税務署…ではないですよね?


 

その通り!届出書は「納税地等」の所轄税務署長に提出する必要があります。法人税の場合、納税地は本店又は主たる事務所の所在地になります。


 

具体的な例で教えていただけますか?


 

例えば、A株式会社の本店が東京都千代田区にあり、大阪支店と名古屋支店があるとします。各支店で電子帳簿を作成・保存していても、届出書は東京都千代田区を所轄する税務署長に提出することになります。


 

本店の実体がそこになくても、登記上の本店所在地の税務署なんですね。


 

まさにその通りです。法人の実体が納税地に存するかどうかは関係ありません。登記上の本店所在地を所轄する税務署長への提出が必要です。


 

過少申告加算税の軽減措置を受けるために、他に注意すべき点はありますか?


 

重要なポイントがあります。事業所単位で作成している帳簿を含めて、全ての特例国税関係帳簿が優良な電子帳簿の要件を満たして保存されている必要があります。


 

「全ての」というのがポイントですね。一部の事業所だけでは適用されないということですか?


 

その通りです。法人税法施行規則第54条に規定する帳簿すべてが対象になります。本店だけでなく、大阪支店、名古屋支店の帳簿も全て優良な電子帳簿として保存する必要があります。


 

実務上、どのような準備が必要でしょうか?


 

まず、全事業所の帳簿が電子帳簿保存法の優良な電子帳簿の要件を満たしているか確認します。具体的には、訂正削除履歴の保存、相互関連性の確保、検索機能の確保などですね。


 

システム面での対応も必要ですね。


 

はい。全事業所で統一されたシステム運用が求められます。一つの事業所でも要件を満たしていなければ、法人全体として軽減措置の適用を受けられません。


 

届出書の提出時期についても教えてください。


 

特例適用届出書は、優良な電子帳簿による保存を開始する日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までに提出する必要があります。遡及適用はできませんので、計画的な準備が重要です。


 

分かりました。まとめると、提出主体は法人自体、提出先は本店の所轄税務署長、そして全事業所の帳簿が要件を満たす必要があるということですね。


 

完璧です!電子帳簿保存法は複雑な制度ですが、正しく理解して適用すれば、過少申告加算税の軽減という大きなメリットを受けられます。顧問先への説明でも、これらのポイントをしっかり伝えてくださいね。


 

ありがとうございます。顧問先にも正確にお伝えします!

【回答】

法人自体が、本店所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書(以下「特例適用届出書」といいます。)を提出する必要があります。

【解説】

法人税に係る国税関係書類については、これを事業所の所在地に保存することも認められています(法人税法施行規則59@、同67A)が、@電子帳簿保存法では、 特例適用届出書の提出主体を保存義務者とし(規則5@)、また、その保存義務者を「国税に関する法律の規定により……保存をしなければならないこととされている者」と定義している(法2四)こと、一方、A法人税法では、法人税に係る国税関係帳簿書類の保存義務者を法人自体としていること(法人税法126@及び150の2@)から、各事業所の長は保存義務者には該当しません。


また、特例適用届出書は、納税地等の所轄税務署長に対して提出する必要があり(規則5@)、この場合の「納税地等」については、「保存義務者が、国税関係帳簿書類に係る国税の納税者(国税通則法第2条第5号に規定する納税者をいう。)である場合には当該国税の納税地をいい……」と定義されています(規則2二)。


したがって、法人税に係る特例国税関係帳簿を各事業所に保存することとしている場合であっても、それに係る特例適用届出書は、その法人自体が、その法人の法人税法上の納税地(本店又は主たる事務所の所在地)の所轄税務署長に対して提出する必要があります。


なお、法第8条第4項の規定の適用を受けるためには、事業所単位で作成しているものも含めて全ての特例国税関係帳簿(法人税法施行規則第54条に規定する帳簿)を優良な電子帳簿の要件を満たして保存する必要があります。


出所:国税庁