

先生、電子帳簿保存法の過少申告加算税軽減措置について質問があります。法第8条第4項の適用をやめる届出書を提出した場合、すでに電子で保存している帳簿はどうなるのでしょうか?
いい質問ですね。取りやめの届出書を提出しても、その時点で保存している電磁的記録等は条件を満たせばそのまま電子保存を続けられます。
条件というのは具体的にどのようなものですか?
規則第2条第2項の要件を満たしているかどうかが鍵になります。つまり、訂正削除履歴の保存、相互関連性の確保、検索機能の確保などの基本的な要件ですね。
なるほど。では、もしこれらの要件を満たしていない場合はどうなりますか?
その場合は書面、つまり紙に出力して保存しなければなりません。電子データのままでは認められないということです。
実際の事例で考えてみたいのですが、例えばA社が今年3月に取りやめ届出書を提出したとします。
はい、具体的に見てみましょう。
A社は2022年から電子帳簿で仕訳帳を作成し、優良電子帳簿の要件も満たしていました。しかし、2024年3月に過少申告加算税軽減措置の適用をやめる届出を提出したんです。
そのケースでは、3月時点で保存していた電磁的記録が規則第2条第2項の要件を満たしていれば、そのまま電子保存を継続できます。ただし、2024年度以降は軽減措置は適用されません。
青色申告の承認に影響はありますか?
規則第2条第2項の要件を満たしていれば、優良な電子帳簿の要件を満たしていないことを理由とした青色申告承認の取消し対象にはなりません。これは重要なポイントです。
B社の場合はどうでしょう。電子帳簿を作成していたものの、検索機能が不十分で規則第2条第2項の要件を満たしていない状況で取りやめ届出書を提出したとします。
B社の場合は、取りやめ届出書提出時点で保存している電磁的記録を紙に出力して保存する必要があります。電子データのままでは認められません。
出力するタイミングに決まりはありますか?
特に明確な期限は定められていませんが、速やかに対応すべきでしょう。税務調査等で確認された際に、適切に書面保存されている必要があります。
取りやめ後に新しく作成する帳簿はどう扱えばよいのでしょうか?
取りやめ届出書を提出した課税期間以後は、軽減措置は適用されませんが、電子帳簿保存法の他の規定に従って電子保存することは可能です。ただし、規則第2条第2項の要件は満たす必要があります。
つまり、取りやめ=電子保存禁止ではないということですね。
その通りです。軽減措置がなくなるだけで、適切な要件を満たせば引き続き電子保存できます。むしろ、デジタル化の流れを考えると、要件を満たした電子保存を続けることをお勧めします。
最後に、企業が取りやめを検討する際の注意点を教えてください。
まず、現在の電子保存システムが規則第2条第2項の要件を満たしているか確認することです。満たしていない場合は書面保存の準備が必要になります。また、取りやめ後も電子保存を継続する場合は、システムの維持管理体制をしっかり構築しておくことが重要ですね。
ありがとうございました。電子帳簿保存法の取りやめ届出と電磁的記録保存の関係がよく理解できました。
電子帳簿保存法は複雑ですが、適切に理解して活用すれば業務効率化につながります。困ったことがあればいつでも相談してくださいね。
法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を取りやめる旨等を記載した届出書(以下「特例取りやめ届出書」といいます。)を提出した場合、その特例取りやめ届出書を提出した日において保存等をしている特例国税関係帳簿に係る電磁的記録及び電子計算機出力マイクロフィルムについては、引き続き規則第2条第2項の要件を満たしていれば電磁的記録等により保存等を行って差し支えありません。
なお、規則第2条第2項の要件を満たせない場合には、その電磁的記録等を書面(紙)に出力して保存等をしなければなりません(取扱通達4−35)。
特例取りやめ届出書の提出があった場合、その提出があった日の属する課税期間以後の課税期間については、当該規定の適用を受ける旨の届出書の効力は失われますが、電磁的記録等による保存等自体を認めないものではありません。
したがって、引き続き規則第2条第2項に規定する優良な電子帳簿以外の電子帳簿の要件を満たして保存等している場合には、電磁的記録等として保存することが可能です。
また、規則第2条第2項の要件を満たしていれば、優良な電子帳簿の要件を満たしていないことをもって、電磁的記録による保存等に係る帳簿書類の保存義務違反による青色申告の承認の取消し等の対象にはなりません。
なお、規則第2条第2項の要件を満たせない場合や、課税期間の途中で電子計算機による作成を取りやめる場合には、新たな記録分について書面(紙)で保存等をしなければならなくなるほか、同日において保存等をしている電磁的記録のうち、保存時に満たすべき要件を満たせなくなるものについては全て書面(紙)に出力して、保存期間が満了するまで保存等をする必要があります(【問37】参照)。
出所:国税庁
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