令和3年度の税制改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類について、令和4年1月1日以後に令和3年度の税制改正後の国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の要件を適用して国税関係帳簿又は国税関係書類の保存等をすることとした場合、改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出することとなるのでしょうか。

令和3年度の税制改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類について、令和4年1月1日以後に令和3年度の税制改正後の国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の要件を適用して国税関係帳簿又は国税関係書類の保存等をすることとした場合、改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出することとなるのでしょうか。

問58 令和3年度の税制改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類について、令和4年1月1日以後に令和3年度の税制改正後の国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の要件を適用して国税関係帳簿又は国税関係書類の保存等をすることとした場合、改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出することとなるのでしょうか。

 

おつかれさまです。今日は令和3年度の税制改正で電子帳簿保存法が大きく変わった件について質問がありましたね。


 

はい。既に改正前の承認を受けて電子帳簿を保存している会社から、「新しい要件で保存を続けたいけど、取りやめの届出書は必要ですか?」という質問をいただいて。


 

なるほど。原則論から言うと、改正前の承認済み帳簿について、令和4年1月1日以後に新しい要件を適用する場合は、取りやめの届出書が必要になります。


 

やっぱり届出が必要なんですね。でも何か例外はありませんか?


 

良い質問ですね。実は、納税者の負担軽減のため、3つの対応のいずれかを行えば、別途取りやめの届出書を提出しなくても良いんです。


 

3つの対応というのは?


 

まず1つ目は、新要件での電磁的記録保存を開始した日を管理・記録しておくこと。例えば、A社が令和4年4月1日から優良な電子帳簿の要件を満たして保存を始めたなら、その日付をきちんと記録しておくということです。


 

記録するだけで良いんですか?


 

2つ目の要件もセットです。税務調査の際に、その記録内容について説明できるようにしておくことが必要です。つまり、いつから新要件で保存を始めたか、調査官に明確に説明できる体制を整えておくということですね。


 

なるほど。3つ目は何でしょうか?


 

3つ目は、過少申告加算税の軽減措置を受ける場合の特例です。優良な電子帳簿の届出書を提出する際に、「その他参考となる事項」欄に、取りやめたい承認済み帳簿の種類を併記して提出する方法です。


 

具体的にはどう記載するんですか?


 

例えば、「令和○年○月○日承認の売上帳について取りやめ」といった具合に記載します。これで、新しい届出と取りやめが同時に処理されるイメージですね。


 

便利ですね。でも、もし電子保存自体をやめたい場合はどうなりますか?


 

その場合は必ず取りやめの届出書を提出する必要があります。そして重要なのは、届出書を提出した日に保存している電磁的記録を全て書面に出力して保存しなければならないことです。


 

データのまま残しておくだけではダメなんですね。


 

そうです。法的には書面での保存が求められます。ただし、改正前の承認は、改正前の要件で保存する最終日まで効力があるので、急に無効になるわけではありません。


 

実務的には、クライアントにはどうアドバイスすれば良いでしょうか?


 

まず現状の電子帳簿保存の状況を整理して、新要件での保存を続けるなら、開始日の記録と説明体制の整備をお勧めします。手続きの負担を減らしながら、法令遵守ができる方法を選択することが大切ですね。


 

分かりました。電子帳簿保存法の改正は複雑ですが、納税者の利便性も考慮されているんですね。


 

その通りです。制度変更に伴う事務負担を軽減しつつ、適正な帳簿保存を継続できるよう配慮された仕組みになっています。クライアントには、こうした選択肢があることをしっかり説明していきましょう。

【回答】

令和3年度の税制改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類について、令和4年1月1日以後に令和3年度の税制改正後の要件で電磁的記録の保存等を行う場合については、原則として、当該承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書の提出が必要となりますが、以下について行っていただく場合又は法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書(「2(2)その他参考となる事項」欄))に併せて取りやめようとする承認済国税関係帳簿の種類等を記載していただく場合は、当該承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出する必要はありません。


令和3年度の税制改正後の要件で電磁的記録の保存等を開始した日(優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けようとする場合には、優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を開始した日を含みます。)について、管理、記録をしておくこと。
税務調査があった際に、上記の管理、記録しておいた内容について答えられるようにしておくこと。

【解説】

令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日において現に国税関係帳簿書類に係る電磁的記録による保存等の承認を受けている国税関係帳簿書類については、なお従前の例によることとされています(令3改正法附則82@、A)。


したがって、本改正後の要件により保存等を行おうとする場合、原則として、本改正後の要件による備付け(書類の場合は、保存)を開始する日より前に取りやめの届出書の提出が必要となります。


しかしながら、引き続き電磁的記録の保存を行おうとする場合においては、納税者の利便性向上という本改正の趣旨も踏まえ、本改正前に既に承認を受けている保存義務者に対して追加の負担を求めるものとならないよう、本改正後の要件で電磁的記録の保存等を開始した日(優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けようとする場合には、優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を開始した日を含みます。)について、後日明らかにできるような状態で適宜の方法により管理、記録をしておき、後日税務調査があった際に、本改正後の要件で電磁的記録の保存等を開始した日について説明できるような状態にしておく場合には、本改正前の承認に係る取りやめの届出書の提出があったものとみなし、別途、取りやめの届出書の提出は求めることとはしません。


なお、本改正前の承認については、本改正前の電子帳簿書類の保存時に満たすべき要件で電子帳簿書類の保存等を行う日の最終日まで効力を有するものとして取り扱います。


おって、承認を取りやめた国税関係帳簿書類については、次のとおり取り扱うこととなります。

@ 国税関係帳簿書類に係る電磁的記録による保存等をやめる場合には、取りやめの届出書を提出した上、その提出した日において保存等をしている電磁的記録及び保存している電子計算機出力マイクロフィルムの内容を書面に出力して保存等をしなければならないこととなります。
A 本改正後の要件に従い国税関係帳簿書類に係る電磁的記録による保存等を行おうとする場合(旧制度から新制度への移行の場合)にも取りやめの届出書が必要となりますが、令和4年1月1日以後に備付けを開始する国税関係帳簿又は保存が行われた国税関係書類については、取りやめの届出書の提出以後、本改正後の要件に従いその国税関係帳簿又は国税関係書類に係る電磁的記録の保存等をしなければならないこととなるため、承認を取りやめる年分を明示してその取りやめの届出書の提出をする必要があります。また、承認を取りやめる日前に備付けを開始し、又は保存が行われた国税関係帳簿書類について本改正前の要件に従いその国税関係帳簿書類に係る電磁的記録の保存等をする場合には、引き続きその電磁的記録の保存等を行う年分を除外して、上記の取りやめの届出書の提出を行う必要があります。


出所:国税庁