

先生、ちょっと質問があるんですが…
はい、どうぞ。
営業の社員が出張先でホテル代を立て替えて、ホテルからメールでPDFの領収書をもらったんです。これって会社の電子取引に該当するんでしょうか?
良い質問ですね。結論から言うと、該当します。
え、でも支払ったのは従業員個人ですよね?
そうですね。でも法人税法上、立替払いは会社の経費として計上されます。つまり実質的には会社と支払先との取引とみなされるんです。
なるほど…じゃあ、その電子データはどう保存すればいいんですか?
原則は、従業員から電子データを集めて、会社で一元管理することが望ましいです。
でも正直、毎回すぐに集めるのって難しいんですよね。出張から帰ってすぐバタバタしてて…
その気持ち、よく分かります。実は、すぐに集約できない場合は、一定期間、従業員のスマホやパソコンに保存したままでも認められているんです。
本当ですか!助かります。
ただし条件があります。会社側で管理台帳を作って、誰がいつどこの領収書データを持っているか把握しておく必要があるんです。
例えばエクセルで管理表を作って、「○月○日、田中さん、ホテル△△、3万円、データは田中さんのスマホ」みたいに記録しておけばいいですか?
まさにその通りです。さらに、税務調査が入ったときに、税務署の職員が「このデータを見せてください」と言ったら、従業員がすぐに画面表示や印刷できる体制を整えておく必要があります。
分かりました。あと、電子帳簿保存法の要件も満たさないとダメですよね?
その通り。真実性の確保として、タイムスタンプを付けるか、事務処理規程を作って改ざん防止策をとる。可視性の確保として、検索機能を持たせて、日付・金額・取引先で検索できるようにする。
もし間違ってデータを保存せずに、紙で印刷したものだけ保存しちゃってたらどうなるんですか?
それだけで即座に青色申告が取り消されたり、経費が認められなくなったりはしません。ただ、今後はきちんとルールを整えていくことが大切ですね。
分かりました!まずは管理台帳を作って、事務処理規程も整備します。
その意気です。困ったことがあったらまた相談してください。
従業員が支払先から電子データにより領収書を受領する行為についても、その行為が会社の行為として行われる場合には、会社としての電子取引に該当します。 そのため、この電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、従業員から集約し、会社として取りまとめて保存し、管理することが望ましいですが、集約するまでの一定の間、従業員のパソコンやスマートフォン等に電子データ自体は保存しておきつつ、検索機能を損なうことがないよう会社としても日付、金額、取引先の検索条件に紐づく形でそうした保存状況にあることを情報とし管理しておくことも認められます。
なお、この場合においても、規則第4条第1項各号に掲げる措置を行うとともに、税務調査の際には、その従業員が保存する電磁的記録について、税務職員の求めに応じて提出する等の対応ができるような体制を整えておく必要があり、電子データを検索して表示するときは、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるように管理しておく必要があります(【問32】参照)。
法人税法上、会社業務として従業員が立替払いした場合には、原則、当該支払が会社の費用として計上されるべきものであることから、従業員が立替払いで領収書を電子データで受領した行為は、会社の行為として、会社と支払先との電子取引に該当すると考えることができます。そのため、この電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、従業員から集約し、会社として保存し、管理する必要がありますが、会社の業務フロー上、打ち出された紙ベースでの業務処理が定着しており、直ちに電子データを集約する体制を構築することが困難な場合も存在することも想定され得ることから、集約するまでの一定の間、従業員のパソコンやスマートフォン等により、請求書データを格納する方法により保存することを認めることを明らかにしたものです。なお、この場合においても、当該電子データの真実性確保の要件等を満たす必要があることから、例えば、正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程に従って保存を行う等、規則第4条の規定に従って保存を行う必要があります。
また、このような場合であっても、本社の経理部等において一定の方法により規則性をもって検索することが可能な体制を構築することが求められるのは、税務調査の際には、税務職員の求めに応じて電磁的記録の提出を行う等の対応が求められることから、円滑に集約が行えるような状態として保存しておく必要があるためです。したがって、結果として、税務調査の際に保存データの検索を行うに当たって特段の措置が取られておらず、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができないような場合には、会社として、その電磁的記録を適正に保存していたものとは認められない点に注意してください。
おって、会社業務として従業員が立替払いした場合の電子取引の取引情報に係る情報の一部について、電子データが適正に保存されず、出力した書面のみが保存されているものがあったとしても、そのような事実のみをもって、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません(【問88】参照)。
出所:国税庁
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