

おはようございます。今日は電子取引データの保存要件について質問があるそうですね。
はい、先生。当社のお客様で、課税期間が令和5年4月1日から令和6年3月31日までの会社があるんですが、令和6年1月1日以後に保存作業を行えば、それより前の電子取引データも新しい要件で保存できるのかって聞かれまして。
なるほど。結論から申し上げますと、それはできません。保存するタイミングではなく、「いつ取引を行ったか」で適用される要件が決まるんです。
えっ、そうなんですか。保存した日が基準じゃないんですね。
そうなんです。令和5年度の税制改正は令和6年1月1日が施行日ですから、この日以後に「行った取引」にのみ新要件が適用されます。施行日前の取引には改正前の要件が適用されるんですよ。
ということは、同じ課税期間内でも、令和5年12月31日までの取引と令和6年1月1日以降の取引で、別々の基準で保存しなきゃいけないってことですか?
その通りです。具体例を挙げましょうか。検索機能の確保要件について、改正前は売上高が1,000万円以下の事業者のみ検索機能が不要でした。
改正後はどうなったんですか?
改正後は5,000万円以下に緩和されました。ですから、例えば売上高3,000万円の事業者の場合、令和6年1月以降の取引データは検索機能なしで保存できますが、令和5年12月以前の取引データには検索機能を確保しなければならないんです。
同じ会社のデータなのに、取引日によって保存方法が違うなんて、管理が大変そうですね。
まさにそこが注意点です。実務では、取引時期ごとにフォルダを分けるなど、明確に区分して管理する必要がありますね。
令和5年12月以前の取引については、書面保存の宥恕措置も使えるんですよね?
はい。令和4年1月1日から令和5年12月31日までの取引については、やむを得ない事情がある場合に紙での保存が認められています。これも取引日基準ですので、令和6年1月以降の取引には適用されません。
よく分かりました。お客様には「取引した日が全ての基準」と説明すればいいですね。
その通りです。保存作業のタイミングではなく、取引発生日で判断する。これが電子帳簿保存法の大原則ですから、しっかり覚えておいてください。
令和6年1月1日前に行った電子取引の取引情報については、令和5年度の税制改正後の要件により保存することは認められません。
令和5年度の税制改正における電子帳簿保存法の改正の施行日は令和6年1月1日であり、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度に関する改正は、同日以後に行う電子取引の取引情報について適用することとされています(令5改正規則附則2A)。そのため、同日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、令和5年度の税制改正後の要件により保存を行わなければならないこととされています。一方で、同日前に行った電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、令和5年度の税制改正後の要件により保存することは認められませんので、その電磁的記録について、令和5年度の税制改正前の要件その電磁的記録を出力した書面等を整理して保存している場合に検索要件が緩和される等の措置が講じられる前の検索機能の確保の要件等)を満たしてその電磁的記録を保存していただく必要があります(令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、令和3年度の税制改正により、電磁的記録を出力した書面等を保存する措置は廃止されましたので注意してください。)。
なお、令和3年度の税制改正により廃止された電子取引の取引情報に係る電磁的記録の出力書面等による保存について、令和4年度の税制改正において整備された「電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存への円滑な移行に向けた宥恕措置」により、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に行う電子取引については、事実上、可能とされていますので、【問79】等を参照してください。
出所:国税庁

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