電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。

電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。

問16 電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。

 

先生、質問があります。取引先からメールで請求書PDFを受け取った後、同じ内容の紙の請求書も郵送されてくることがあるんですが、この場合、両方とも保存しないといけないんでしょうか?


 

いい質問ですね。実は、電子データと書面の内容が完全に同一で、かつ書面を「正本」として扱うことを社内で明確に決めている場合には、書面のみの保存で問題ありません。電子データは削除しても大丈夫です。


 

そうなんですか! てっきり電子帳簿保存法で、電子取引のデータは必ず保存しないといけないと思っていました。


 

基本的にはその通りなんです。ただ、これは例外的な取り扱いなんです。取引においては通常、請求書などは一つが原則で、正本と副本がある場合には正本を保存すれば足りるという考え方が根底にあります。


 

なるほど。では、具体的にどういう場合が該当するんでしょうか?


 

例えば、A社から毎月20日頃にメールで請求書PDFが届いて、25日頃に同じ内容の紙の請求書が郵送されてくるとします。この場合、社内規程で「郵送される書面を正本とする」と定めていれば、メールのPDFは削除しても構いません。


 

社内で取り決めをしておくことが重要なんですね。


 

その通りです。ただし、ここからが重要なポイントなんですが、「内容が完全に同一」という条件があります。もし電子データの方に追加情報が含まれている場合は、両方とも保存する必要があります。


 

追加情報というと、どんなケースですか?


 

よくあるのは、PDFの請求書自体は紙と同じでも、メール本文に「今月は○○の値引きを適用しています」とか「納期は△△です」といった補足説明が書かれているケースです。


 

あー、確かにそういうメールありますね。


 

そうなんです。この場合、メール本文の情報も取引情報の一部とみなされますので、書面だけでは不十分になります。電子データも保存しなければなりません。


 

つまり、PDFと紙の請求書が全く同じで、メール本文も定型的な挨拶文だけなら、紙だけでOKということですね。


 

まさにその通りです。よく理解できていますね。他にも、書面の方に手書きのメモや追記があったり、逆に電子データの方に検索用のタグが付いていたりする場合も注意が必要です。


 

判断が難しいケースもありそうですね。実務ではどう対応すればいいでしょうか?


 

まず、取引先ごとに「電子と書面のどちらを正本とするか」を整理して、社内規程やマニュアルに明記することをお勧めします。そして、電子データに独自の情報が含まれていないか、定期的にチェックする体制を作っておくといいですね。


 

分かりました。取引先リストを作って、それぞれの取り扱いを明確にしておきます。


 

そうしてください。あと、迷ったら両方保存しておくのが安全策です。電子データの保存はそれほど手間がかかりませんからね。


 

はい、ありがとうございます。とても分かりやすかったです!

【回答】

電子データと書面の内容が同一であり、書面を正本として取り扱うことを自社内等で取り決めている場合には、当該書面の保存のみで足ります。ただし、書面で受領した取引情報を補完するような取引情報が電子データに含まれているなどその内容が同一でない場合には、書面及び電子データの両方を保存する必要があります。

【解説】

取引において、通常、請求書は一つであるから、正本・副本がある場合その正本を保存すれば足りると考えられます。ただし、書面で受領した取引情報に加えて、その詳細をメール本文で補足している場合等、当該電子データに正本を補完するような取引情報が含まれている場合等には、正本である書面の保存に加え、電子データの保存も必要になると考えられます。


出所:国税庁