ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。

ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。

問20 ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。

 

ディスプレイやプリンタって、スペックや台数の決まりはあるんですか?

 

実は、法令上、性能や設置台数について具体的な要件は定められていませんよ。

 

えっ、そうなんですか?何台以上とか、解像度がどれ以上とか、決まっていないんですね。

 

そうなんです。理由は二つあります。一つは、税務調査の際には、保存義務者が日常業務で使っている機器をそのまま使用することが前提になっているからです。もう一つは、日常業務で普通に使えているなら、その事業規模に見合った性能や台数はすでに確保されているだろう、という考え方に基づいているんですよ。

 

なるほど、わざわざ特別な機器を用意しなくていいということですね。でも、何か条件はあるんですか?

 

はい、「可視性の確保」という要件があります。規則第2条第2項第2号により、ディスプレイ上で整然とした形式・明瞭な状態で、速やかに出力できる状態を維持することが求められています。高スペックである必要はありませんが、調査官がその場ですぐ確認できる状態にしておくことが大切です。

 

例えば、小さな事務所で端末が1台しかない場合はどうなりますか?

 

そういった小規模事業者のケースも想定されています。調査中にディスプレイを優先使用することが難しい場合は、複製データを作成して税務職員に提出するという対応が認められています。日常業務を止めずに対応できる方法を事前に考えておくといいですよ。

 

スマートフォンだけで仕事をしていて、プリンタを持っていない方はどうなりますか?

 

実はそれも大丈夫なんです。プリンタを常設していなくても、コンビニなどの有料プリントサービスを使って速やかに印刷できる体制が整っていれば、要件を満たしているとして取り扱われます。フリーランスの方など、プリンタなしで運営されている方にも安心できる規定ですね。

 

つまり、高価な機器をそろえる必要はないけれど、"いつでもすぐ見せられる・印刷できる状態"を保っておくことが一番のポイントなんですね。

 

まさにその通りです。電子帳簿保存法における電子データの保存要件で最も重要なのは、機器のスペックよりも「調査時に即座に対応できる体制」です。事業規模に合わせた現実的な準備をしておくことが、実務上のポイントになりますよ。

【回答】

ディスプレイやプリンタ等の性能や設置台数等は、要件とされていません。

【解説】

電磁的記録は、その特性として、肉眼で見るためにはディスプレイ等に出力する必要がありますが、これらの装置の性能や設置台数等については、@税務調査の際には、保存義務者が日常業務に使用しているものを使用することとなること、A日常業務用である限り一応の性能及び事業の規模に応じた設置台数等が確保されていると考えられることなどから、法令上特に要件とはされていません。


ただし、規則第2条第2項第2号では、ディスプレイ等の備付けとともに、「速やかに出力することができる」ことも要件とされています。このため、日常業務においてディスプレイ等を常時使用しているような場合には、税務調査では帳簿書類を確認する場面が多いことから、税務調査にディスプレイ等を優先的に使用することができるよう、事前に日常業務との調整等を行っておく必要があると考えます。


なお、小規模事業者では、使用できるディスプレイ等の台数が限定されているために、そのような調整を図った上でもなお税務調査にディスプレイ等を優先的に使用することが一時的に難しい状況が発生することも考えられますが、そのような場合には当該電磁的記録のコピー(複製データ)を作成して税務職員に提出できるようにしておくなどの対応に代える必要があります。


出所:国税庁