「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロ並びに第5条第4項[令和8年12月31日までは規則第5条第5項(以下同じ。) ]第1号イ(2)にそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。

「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロ並びに第5条第4項[令和8年12月31日までは規則第5条第5項(以下同じ。) ]第1号イ(2)にそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。

問11 「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロ並びに第5条第4項[令和8年12月31日までは規則第5条第5項(以下同じ。) ]第1号イ(2)にそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。

 

先生、電子帳簿保存法の規則で「その業務の処理に係る通常の期間」という表現が複数の条項に出てきますが、規則第2条第6項第1号ロ・第2号ロと、第5条第4項第1号イ(2)で、同じ期間として解釈してよいのでしょうか?


 

それは重要な質問ですね。実は、これらの条項では対象となる「業務」の内容が異なるため、厳密には期間の意味も違います。まず規則第2条第6項から説明しましょう。


 

規則第2条第6項では、どのような業務を想定しているのですか?


 

第2条第6項第1号ロ・第2号ロでは、国税関係書類を受領してからスキャナで読み取るまで、または受領からタイムスタンプを付すまでの業務サイクルの期間を指しています。例えば、請求書を受け取って、それを整理・確認してからスキャンするまでの流れですね。


 

なるほど。では第5条第4項第1号イ(2)はどうでしょうか?


 

こちらは事務処理が終わった後、システムにデータの入出力を行うまでの業務サイクルを対象としています。具体的には、経理担当者が伝票を処理した後、会計システムに入力するまでの期間ということになります。


 

業務の内容が違うということは、それぞれ別々に期間を考える必要があるのですね?


 

その通りです。しかし、実務上は共通する考え方があります。どちらも企業が週次や月次といった一定の業務サイクルで処理を行うことを前提としており、その業務サイクルを社内規程で定めることで適正な処理を担保するという点は同じです。


 

実際の期間はどの程度まで認められるのでしょうか?


 

取扱通達4−18によると、経理処理の実情を考慮して、いずれの条項でも最長2か月の業務サイクルであれば「通常の期間」として取り扱われます。例えば、月末締めで翌月末までに処理するといったサイクルが一般的ですね。


 

2か月以内であれば、週次でも月次でも企業の実情に合わせて設定できるということですか?


 

はい、その通りです。重要なのは、社内の事務処理規程等で明確に定めておくことです。例えば「毎月25日までに受領した書類は当月末までにスキャンする」といった具体的なルールを設けることが求められます。


 

では、条項によって業務の内容は違うものの、期間の考え方や上限については統一されているということですね。


 

まさにその通りです。電子帳簿保存法では、企業の実務に配慮しながら、適正な書類保存を確保するという政策目標の下で、統一的な期間設定がなされているということです。


 

よく分かりました。クライアント企業に説明する際は、業務フローに応じて具体的な期間設定をアドバイスする必要がありますね。


 

その通りです。各企業の業務実態に合わせて、無理のない範囲で適切な期間を設定することが、電子帳簿保存法の円滑な運用につながります。

【回答】

規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取るまで又は受領等からタイムスタンプを付すことができるようになるまでの通常の業務サイクルの期間をいい、規則第5条第4項第1号イ(2)に規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、事務処理後データの入出力を行うまでの通常の業務サイクルの期間をいいます。

【解説】

規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロ並びに第5条第4項第1号イ(2)では、いずれも「その業務の処理に係る通常の期間」と規定しています。それは、企業等においてはデータ入力又は書類の処理などの業務を一定の業務サイクル(週次及び月次等)で行うことが通例であ
り、また、その場合には適正な入力又は処理を担保するために、その業務サイクルを事務の処理に関する規程等で定めることが通例であるという共通した考え方によるものですが、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロは国税関係書類に係る記録事項を入力する場合であり、第5条第4項第1号イ(2)は国税関係帳簿に係る記録事項を入力する場合であることから、「その業務」の内容が異なり、それぞれが次の≪その業務とその期間≫ のとおり差があります。


しかしながら、その業務の内容の差に着目した期間の差を設けることは、経理処理の実情と合わなくなることも考えられるため、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロの事務処理期間については、最長2か月の業務サイクルであれば通常の期間として取り扱われることから(取扱通達4−18)、第5条第4項第1号イ(2)の事務処理終了後の入力までの期間についても同様に、最長2か月の業務サイクルであれば、通常の期間として取り扱われます。


≪その業務とその期間≫
イ 規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロの場合
  その業務とは、企業等における書類の事務処理と考えられることから、その期間については、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取るまで又は受領等からタイムスタンプを付すことができるようになるまでの業務サイクルの期間をいいます。
ロ 規則第5条第4項第1号イ(2)の場合
  その業務とは、帳簿の元となるデータの入出力を含むことと考えられることから、その期間については、事務処理終了後データの入出力を行うまでの業務サイクルの期間をいいます。


出所:国税庁