令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。また、令和5年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。

令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。また、令和5年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。

問66 令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。また、令和5年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。

 

先生、スキャナ保存の税制改正について質問なんですが、令和3年度の改正と令和5年度の改正って、それぞれいつから適用されるんですか?


 

これはよく混乱しやすいポイントだね。まず令和3年度の税制改正後の要件は、令和4年1月1日以後に保存する国税関係書類から適用される。令和5年度の改正は、令和6年1月1日以後に保存する書類からだよ。


 

令和3年度の改正なのに、適用は令和4年1月からなんですね。


 

そう、ここがポイント。「改正された年度」と「実際に適用される日」は違うんだ。税制改正は前年度に決まって、翌年から施行されるのが一般的なんだよ。


 

なるほど。でも「令和4年1月1日以後に保存する」というのは、具体的にどういう意味ですか?


 

いい質問だね。「保存する」というのは、書類を受け取った日や作成した日じゃなくて、実際にスキャナ保存が完了した日のことなんだ。もっと正確に言うと、入力してタイムスタンプ要件を満たすまでが完了した日だね。


 

ということは、書類自体は令和3年に受け取ったものでも、スキャンが令和4年1月以降なら新しい要件が適用されるんですか?


 

その通り! 例えば、業務処理期間を最長の2か月で設定している会社があるとしよう。令和3年10月末に受け取った請求書でも、実際にスキャンして入力が完了したのが令和4年1月5日だったら、令和3年度改正後の新しい要件が適用されるんだ。


 

じゃあ、書類の日付じゃなくて、スキャンした日が基準になるんですね。


 

正確にはそうなる。だから令和3年11月の領収書、12月の契約書も、スキャン入力が令和4年1月以降に完了すれば、全て新要件での保存になる。


 

令和5年度の改正も同じ考え方ですか?


 

全く同じだよ。令和5年度の税制改正後の要件は、令和6年1月1日以後に保存する書類から適用される。だから令和5年10月末頃に受け取った書類でも、令和6年1月以降にスキャンすれば、令和5年度改正後の要件が適用されるんだ。


 

ちょっと複雑ですね。例えば、令和5年12月に請求書を受け取って、年内にスキャンしたらどうなりますか?


 

令和5年12月にスキャンして入力完了したなら、その時点で適用されている要件、つまり令和3年度改正後の要件で保存することになる。


 

でも、同じ12月に受け取った別の請求書を、令和6年1月にスキャンしたら?


 

それは令和5年度改正後の新しい要件が適用される。つまり、同じ月に受け取った書類でも、スキャンした日によって適用される要件が変わってくるんだ。


 

えっ、それって混乱しませんか? 同じ種類の請求書なのに、途中から要件が変わるのは大丈夫なんですか?


 

実はそれも認められているんだよ。同一種類の書類のスキャンデータであっても、課税期間の途中からそれぞれの改正後の保存要件に従って保存することは可能なんだ。


 

ということは、例えば3月決算の会社で、令和6年4月から令和7年3月の事業年度中に、途中から新しい要件でスキャナ保存を始めてもいいんですね。


 

はい、そうなりますね。例えば、令和6年4月から12月までは従来の方法でスキャン保存していて、システムを変更して令和7年1月から新しい要件でスキャン保存を始める、というのも認められる。


 

でも実務的には、システムを途中で変えるのは大変そうですね。


 

そうだね。だから多くの会社は、事業年度の切り替わりのタイミングや、システム更新のタイミングで一斉に新要件に対応することが多いんだ。ただ、法律上は年度途中からの切り替えも可能だということは覚えておいて。


 

わかりました。つまり、「書類をいつ受け取ったか」じゃなくて「いつスキャンして保存を完了したか」が判断基準なんですね。


 

完璧だね。この「保存が行われた日」という考え方は、タイムスタンプの付与や入力期間の計算でも重要になってくるから、しっかり理解しておくといいよ。


 

クライアントにも、改正のタイミングとスキャン実施のタイミングを意識してもらうように伝えます。特に年末年始は注意が必要ですね。


 

その通り。12月末と1月初めでは適用される要件が変わる可能性があるから、計画的に対応することが大切だね。

【回答】

令和3年度の税制改正後の要件によりスキャナ保存を行うことができるのは、令和4年1月1日以後に保存する一定の国税関係書類です。


また、令和5年度の税制改正後の要件によりスキャナ保存を行うことができるのは、令和6年1月1日以後に保存する一定の国税関係書類です。

【解説】

令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の規定は、令和4年1月1日以後に保存が行われる国税関係書類について適用されることとなります(令3改正法附則82B)。


また、令和5年度の税制改正後のスキャナ保存の規定は、令和6年1月1日以後に保存が行われる国税関係書類について適用されることとなります(令5改正規則附則2@)。


この「保存が行われる」とは、実際にスキャナ保存が行われることを意味しており、具体的には、入力(タイムスタンプ要件を満たすまでを指します。)が完了した日がスキャナ保存の行われた日となります。


したがって、その業務の処理に係る通常の期間を最長の2か月で設定している保存義務者については、


・令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に保存が行われる国税関係書類については、最も早いもので、おおむね令和3年10月末頃に作成又は受領した国税関係書類について令和4年1月1日以後に入力が完了した場合には、その国税関係書類については、「令和4年1月1日以後に(スキャナ)保存が行われる国税関係書類」に該当するため、令和3年度の税制改正後の要件が適用されることになります。


・令和6年1月1日以後に保存が行われる国税関係書類については、最も早いもので、おおむね令和5年10月末頃に作成又は受領した国税関係書類について令和6年1月1日以後に入力が完了した場合には、その国税関係書類については、「令和6年1月1日以後に(スキャナ)保存が行われる国税関係書類」に該当するため、令和5年度の税制改正後の要件が適用されることになります。


そのため、同一種類の書類のスキャンデータであっても、課税期間の途中から税制改正後の保存時に満たすべき 要件に従って保存することは可能です【問67】参照。


出所:国税庁