保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。

保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。

問16 保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。

 

先生、クライアントから「電子帳簿保存法で保存するデータ量が膨大すぎて、複数のハードディスクに分けて保存しているんですが、一課税期間を通じて検索できません。これって法律違反になりますか?」という質問を受けました。どう答えればよいでしょうか。


 

よい質問ですね。実は多くの企業が同じような悩みを抱えています。まず結論から言うと、合理的な理由がある場合は例外的に認められるんです。


 

合理的な理由というのは、具体的にはどのような場合でしょうか?


 

例えば、データ量が膨大で物理的に複数の保存媒体に分けざるを得ない場合や、中間決算を組んでいて半期ごとに帳簿を作成している場合、書類の種類ごとに異なるシステムで管理している場合などです。建設業の大手企業で、工事案件ごとに別々のサーバーでデータ管理をしているケースなどが典型例ですね。


 

なるほど。では、そのような場合の検索要件はどうなるのでしょうか?


 

その場合は、保存媒体ごと、または合理的な期間ごとに範囲を指定して検索できれば問題ありません。例えば、4月から6月分は第1サーバー、7月から9月分は第2サーバーというように分かれていても、それぞれで期間や金額の範囲検索ができれば要件を満たします。


 

検索機能を整備するのが難しい場合はどうすればよいでしょうか?


 

実は、税務調査でデータのダウンロード要求に応じられる体制を整えていれば、複雑な検索機能は不要になるんです。この場合、取引年月日、取引金額、取引先という3つの基本項目で検索できれば十分です。


 

それは中小企業にとって現実的な選択肢ですね。画像データの場合はどうでしょうか?


 

画像データをテキスト化できない場合でも、これらの基本情報を手入力して検索条件として設定すれば要件を満たします。例えば、請求書のPDFファイルでも、日付、金額、取引先名を別途入力しておけば問題ありません。


 

クライアントには、まず現在のデータ保存状況を整理して、合理的な理由があるかどうか確認することから始めればよいでしょうか?


 

その通りです。そして、税務調査対応の体制整備を優先的に検討することをお勧めします。完璧な検索システムを構築するより、確実にデータを提供できる仕組みを作る方が現実的で効果的ですからね。

【回答】

保存されている電磁的記録は、原則として一課税期間を通じて検索をすることができる必要があります。

【解説】

検索機能については、原則として一課税期間を通じて保存対象となる電子データを検索することができる必要があることから、検索機能のうち「その範囲を指定して条件を設定することができる」とは、課税期間ごとに日付又は金額の任意の範囲を指定して条件設定を行い検索ができることをいうとされており(取扱通達4−10)、原則として、一課税期間ごとに任意の範囲を指定して検索をすることができる必要があります。


しかしながら、データ量が膨大であるなどの理由で複数の保存媒体で保存せざるを得ない場合や、例えば、中間決算を組んでおり半期ごとに帳簿を作成している場合や書類の種類ごとに複数の保存媒体で データ管理している場合など、一課税期間を通じて保存対象となる電子データを検索することが困難であることについて合理的な理由があるときには、その保存媒体ごとや一課税期間内の合理的な期間ごとに範囲を指定して検索をすることができれば差し支えありません(取扱通達4−9。)


なお、税務職員による質問検査権に基づくデータのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、この範囲を指定して条件を設定できる機能(及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能)の確保は不要となります。


出所:国税庁