

先生、お客様からよく「スマホで領収書を撮影して保存したいけど、解像度の要件ってどうやって確認すればいいんですか?」って聞かれるんです。200dpi以上って言われても、スマホのカメラにはそんな表示ないですよね?
いい質問だね。実は、スマホで撮影した場合は、画像の「画素数」で判断するんだよ。200dpi以上という要件は、書類のサイズと画素数の関係で確認できるんだ。
画素数ですか?具体的にはどれくらい必要なんでしょう?
A4サイズの領収書を例に計算してみようか。A4は縦297mm、横210mmだよね。これを200dpiで読み取るには、縦が約2,338画素、横が約1,654画素必要になる。掛け算すると...
えーっと、約387万画素ですか!
そう。だから、A4サイズの書類なら400万画素程度のカメラで撮影すれば要件を満たせる。最近のスマホは1,000万画素以上が普通だから、画素数自体は問題ないことが多いね。
なるほど!でも、スマホで撮った写真のプロパティを見ると「72dpi」って表示されることがあるんですけど、これって要件を満たしてないってことじゃないんですか?
それがよくある誤解なんだよ。デジタルカメラの規格では、解像度が不明な時は自動的に72dpiと記録されることになっているんだ。だから、72dpiと表示されていても、実際の解像度とは関係ないんだよ。
じゃあ、税務調査で「ちゃんと200dpi以上で保存してますか?」って聞かれたらどうすればいいんですか?
画像ファイルのプロパティ情報を確認すればいいんだ。JPEGやTIFF形式なら、プロパティに縦横の画素数が表示されるよね。それがさっき言った2,338×1,654画素以上あれば、要件を満たしている証明になる。
PDFで保存している場合はどうでしょう?
PDF形式でもプロパティ情報に解像度データが含まれているよ。専用ソフトで確認するか、一度JPEGに変換してプロパティを見れば確認できる。お客様には「プロパティで画素数を確認してください」って案内すればいいね。
実務的には、どんなアドバイスをすればいいですか?
まず、スマホで撮影する時は書類全体が画面いっぱいに写るように撮ること。余白が多いと、肝心の書類部分の画素数が減ってしまうからね。あと、最近のスマホなら標準設定で十分要件を満たすから、あまり心配しなくても大丈夫だよ。
分かりました!お客様には「最近のスマホなら基本的に大丈夫だけど、書類全体をしっかり写すこと」って伝えればいいですね。
その通り。ただし、万が一の時に備えて、撮影した画像のプロパティで画素数を確認する方法も教えてあげるといいね。それが一番確実な証明方法だから。
読み取った書類の大きさと画素数を基に判断することとなります。
A4サイズの大きさの書類を例にとると、A4サイズの紙の大きさは、縦297o、横210oであり、1インチは25.4oです。
このA4サイズの紙の大きさは、インチ換算すると、縦約11.69インチ、横約8.27インチになります。
これを画素に換算すると、縦11.69インチ×200ドット=2,338画素、横8.27インチ×200ドット=1,654画素、そして、総画素を算出すると2,338画素×1,654画素=3,867,052画素になります。
したがって、A4サイズの紙が規則第2条第6項第2号イ(1)に規定する解像度の要件を満たすためには、約387万画素以上が必要となり(A4サイズを画面最大で保存する際に必要な画素数です。)、このように、読み取った書類の大きさと画素数を基に解像度の要件が満たされていることを判断することとなります。
また、機器によっては、A4サイズと縦横比が異なっている場合もあることから、そのような場合には、縦2,338画素、横1,654画素をそれぞれ満たしている必要があります。
なお、スマートフォンやデジタルカメラ等で読み取りを行った場合、画像の解像度が72dpiと表示される場合がありますが、これは、デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格(一般社団法人カメラ映像機器工業会・社団法人電子情報技術産業協会策定)において、「画像の解像度が不明のときには72dpiを記録しなければならない。」とされていることにより表示されるものであり、必ずしも画像の解像度を示すものではないことに注意してください。
おって、階調については、例えば、赤・緑・青、各256階調の場合、Exifの「Bits Per Sample」のタグに「8 8 8」が格納され、ファイルのプロパティに「24ビット」と表示される情報を参照することで保存時に満たすべき要件を満たしているかを確認することができます。
出所:国税庁
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