

先生、電子帳簿保存法の要件で「拡大又は縮小して出力することが可能であること」とありますが、これってA4サイズの書類を必ずA3サイズで出力できなければならないんでしょうか?
いえ、そんなことはありません。A4をA3に拡大する必要はないんですよ。この要件の趣旨は、保存した書類を必要に応じて見やすいサイズで確認できるようにすることなんです。
では、具体的にはどういう機能があればいいんですか?
読み取った書類と同じ用紙サイズの範囲内で、拡大や縮小ができれば大丈夫です。例えば、A4の請求書をスキャンした場合、A4サイズの範囲内で文字を大きくして表示・印刷できればいいんです。
レシートのような小さな書類の場合はどうでしょうか?
いい質問ですね。レシートなど小さな書類については、プリンタや用紙サイズの許す範囲で拡大して出力できれば問題ありません。例えば、5cm×10cmのレシートをA4用紙いっぱいに拡大して印刷できる機能があればOKです。
なるほど。では逆に、A3サイズの大きな書類をスキャンした場合は?
その場合は、縮小して記録事項の全てを出力できれば構いません。ただし重要なのは、A4用紙2枚に分割されるのではなく、A3サイズ1枚の書類として整然とした形式で保存・出力されることです。
書類全体ではなく、一部分だけを拡大する機能でもいいんですか?
はい、それで大丈夫です。ディスプレイや印刷物で、書類の一部分を拡大して表示・出力できればこの要件を満たします。細かい文字が読みにくい時に、その部分だけズームして確認できる機能をイメージしてください。
用紙サイズを変える必要はないんですね。
その通りです。拡大表示した結果、すべての情報を1枚に収めるために用紙サイズを大きくする必要はありません。A4書類をA4範囲で部分拡大できれば十分なんです。
拡大縮小以外に、出力時に気をつけることはありますか?
はい、いくつか重要な要件があります。まず、整然とした形式で出力されること。次に、読み取った原本と同程度に明瞭であること。具体的には、4ポイントの文字や階調が適切に再現される必要があります。
4ポイントってかなり小さい文字ですよね。
そうですね。契約書の細かい文字や注釈なども読めるレベルの画質が求められるということです。それから、速やかに出力できることも要件の一つです。
実際の運用で注意すべき点はありますか?
例えば、A3サイズの図面付き見積書をスキャンする場合を考えてみましょう。これをA4サイズ2枚のデータに分割して保存してしまうと、整然とした形式とは言えません。A3として1枚のデータで保存し、必要に応じて縮小表示や部分拡大ができる状態にしておく必要があります。
つまり、元の書類の形式を維持することが大切なんですね。
その通りです。原本の体裁を保ちつつ、必要に応じて見やすく表示・印刷できる柔軟性があればいいということです。無理に用紙サイズを変える必要はありません。
よく理解できました。ありがとうございます!
市販のスキャナソフトやクラウド会計ソフトは、通常これらの要件を満たしていますが、導入前に確認しておくと安心ですね。
読み取った書類と同じ用紙サイズの範囲で拡大、縮小できれば構いません。
規則第2条第6項第4号ハで規定されている「拡大又は縮小して出力することが可能であること」とは、ディスプレイ及び書面に書類の一部分を拡大して出力することができればよく、拡大することに伴い、用紙のサイズを大きくして記録事項の全てを表示する必要はありません。また、小さな書類(レシート等)を出力する場合にはプリンタ及び用紙サイズの許す範囲で拡大し、又は大きな書類であれば縮小して記録事項の全てを出力することができれば構いません。
その他、例えば入力した書類がA3サイズであれば、A4サイズの書類データ2つなどに分割される ことなく、元のA3サイズの書類と同様の整然とした形式であること、保存されている電磁的記録の情報が4ポイントの文字・記号や階調が適切に再現されるよう読み取った書類と同程度に明瞭であることなどが必要となります。
出所:国税庁
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