

先生、電子帳簿保存法のスキャナ保存について質問があります。JIS X6933に準拠したテストチャートって、JIS規格では目視試験で50パーセント超の認識ができればいいことになっていますよね?
そうですね。JIS規格の目視試験では、34文字中18文字以上が読めれば合格基準を満たします。
では、国税関係書類のスキャナ保存でも、同じように4ポイントの文字やISO図形言語の50パーセント超が認識できる設定でスキャンすればいいんでしょうか?
いいえ、それは大きな誤解です。電子帳簿保存法では、JIS規格よりもずっと厳格な基準が求められます。100パーセント、つまりすべての文字が認識できる設定が必要なんです。
え、100パーセントですか? 50パーセント超じゃなくて?
その通りです。電子帳簿保存法施行規則第2条第6項第4号ニでは、『4ポイントの大きさの文字を認識することができること』と明確に規定されています。認識できない文字の存在は一切認められていません。
なるほど。でも、なぜそこまで厳しいんでしょうか?
それは『紙の書類と同等の真実性と可視性』を確保するためです。例えば、契約書の金額の一部が読めなかったり、請求書の重要な注記が判読できなかったりしたら、税務調査で困りますよね。
確かにそうですね。具体的には、どのように設定すればいいんですか?
テストチャートを使って解像度テストを行う際、チャート上のすべての4ポイント文字とISO図形言語が完全に認識できる設定を見つける必要があります。50パーセント認識できたからOKではなく、100パーセント認識できる設定を探すんです。
実際の現場では、どのくらいの解像度が必要になるんでしょうか?
一般的には200dpi以上のカラースキャンが推奨されていますが、書類の種類や状態によっては、それ以上の解像度が必要になることもあります。だからこそ、事前のテストが重要なんです。
「ISO 12653-3に準拠したテストチャートを使う場合はどうなりますか?
その場合も同様です。JIS X6933準拠のチャートと同程度に、すべての文字が認識できる設定で入力しなければなりません。どちらのテストチャートを使っても、100パーセント認識という基準は変わりません。
JIS規格の基準と電子帳簿保存法の基準は、明確に区別して考える必要があるということですね。
まさにその通りです。JIS規格はあくまで一般的な品質基準であり、税務書類の保存という特殊な目的には、より厳格な基準が適用されるということを理解しておいてください。
国税関係書類のスキャナ保存に当たり、JIS X6933に準拠したテストチャートについては、JIS X6933における4ポイントの文字及びISO 図形言語が100パーセント認識できる設定で入力しなければなりません。
JIS X6933に準拠したテストチャートのJISにおける使用方法としては、目視試験において各ポイントごとに、文字であれば34文字中18文字以上、ISO図形言語であれば各色ごとに8個中5個以上が認識できれば合格とされています(日本産業規格 (JIS) X6933 4.8.1 f)3 目視試験)。したがって、 JIS においてはテストチャートの文字等のうち50パーセント超の文字の認識ができればよいこととなっており、言い換えれば50パーセント未満であれば認識できない文字等が存在しても構わないこととなっています。
しかしながら、国税関係書類のスキャナ保存においては、紙と同等の真実性及び可視性を確保するため、規則第2条第6項第4号ニにおいて「4ポイントの大きさの文字を認識することができること」と規定されており、認識できない文字の存在は認められていませんので、テストチャートの全ての文字等が認識できる設定で入力しなければなりません。
なお、ISO 12653ー3に準拠したテストチャートについても、同様に、ISO 12653ー3における4ポイント文字及び140図票がJIS X6933に準拠したテストチャートと同程度に認識できる設定で入力しなければなりません。
出所:国税庁
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