「ダウンロードの求め(電磁的記録の提示・提出の要求)」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出する際のデータの形式や並び順については決まりがあるのでしょうか。また、記憶媒体自体についても提示・提出する必要はあるのでしょうか。

「ダウンロードの求め(電磁的記録の提示・提出の要求)」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出する際のデータの形式や並び順については決まりがあるのでしょうか。また、記憶媒体自体についても提示・提出する必要はあるのでしょうか。

問45 「ダウンロードの求め(電磁的記録の提示・提出の要求)」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出する際のデータの形式や並び順については決まりがあるのでしょうか。また、記憶媒体自体についても提示・提出する必要はあるのでしょうか。

 

先生、電子帳簿保存法の「ダウンロードの求め」に対応する準備をしているんですが、税務調査の時にデータを提出する形式って決まっているんでしょうか?


 

いい質問ですね。実は、データ形式や並び順に統一的な決まりはないんです。ただし、いくつか重要な留意点がありますよ。


 

決まりがないんですか?じゃあ何でもいいということですか?


 

そうではないんです。税務職員が確認可能な状態で提出する必要があります。具体的には、「通常出力できるであろうファイル形式」で提供しなければなりません。


 

通常出力できる形式、というと?


 

例えば、CSV形式やPDF形式など、特殊なソフトがなくても開ける一般的な形式ですね。独自の暗号化ファイルとか、特殊なアプリでしか開けない形式で出すのはダメということです。


 

なるほど。逆に言えば、CSVやExcelなら問題ないわけですね。


 

そうです。ただし、ここで重要なのが、出力可能な形式でダウンロードを求められたのに、検索性に劣る別の形式で提出した場合、それは「ダウンロードの求めに応じることができるようにしていた」ことにならないんです。


 

え、どういうことですか?


 

例えば、税務職員が「CSV形式で」とか「データベース形式で」と求めたのに、PDFの画像ファイルで渡したら、検索性が大幅に落ちますよね。そういう対応は認められないということです。


 

つまり、相手の要望に応じられる柔軟性が必要なんですね。


 

その通りです。だから、システムを選ぶ時には、複数の形式でエクスポートできる機能があるか確認しておくことが大切ですよ。


 

並び順についてはどうでしょう?日付順とか、取引先順とか。


 

並び順も特に決まりはありません。ただし、税務調査で効率的に確認できるように、日付順や取引先順など、ある程度整理された状態で提出するのが望ましいでしょうね。


 

もう一つ気になっているんですが、データだけじゃなくて、USBメモリとかハードディスクとか、記憶媒体そのものも提出しないといけないんですか?


 

いいえ、「ダウンロードの求め」は記憶媒体自体の提示・提出までを求めるものではありません。データを渡せばOKです。


 

それは安心しました。じゃあ、記憶媒体を見せる必要は全くないんですか?


 

それが、完全にゼロというわけでもないんです。税務調査では、税務職員が質問検査権に基づいて記憶媒体の確認を行う場合もあります。


 

質問検査権ですか。


 

はい。「ダウンロードの求め」とは別の権限で、サーバーやパソコン本体を確認したいと言われることもあり得るということです。ただ、これは通常のダウンロード対応とは別の話ですね。


 

なるほど。普段はデータだけ準備しておけばいいけど、特別な場合には記憶媒体自体を見せることもある、と。


 

そういうことです。ところで、「ダウンロードの求め」に対応できるようにしておくメリットは知っていますか?


 

メリット、ですか?


 

実は、ダウンロードに応じられる体制を整えておけば、検索機能の要件が大幅に緩和されるんです。具体的には、範囲指定検索と組み合わせ検索の機能が不要になります。


 

それはすごいですね!つまり、シンプルな検索機能だけでOKになるということですか?


 

その通り。取引年月日、取引金額、取引先の3項目で基本的な検索ができればよくて、「100万円以上500万円以下」といった範囲指定や、「2024年1月かつA社」といった複合検索の機能は必須ではなくなります。


 

それなら、システムの導入コストも抑えられそうですね。


 

そうなんです。ただし、ダウンロードに応じられる体制は必須です。税務調査の際に「データを出せません」では要件を満たさないことになってしまいますから、しっかり準備しておきましょう。


 

わかりました!まとめると、データ形式に決まりはないけど、税務職員が確認できる一般的な形式で、求められた形式に応じられるようにしておく。記憶媒体自体の提出は基本不要。そして、この対応ができれば検索機能が緩和される、ということですね。


 

完璧です!あとは、実際にどうやってダウンロードするか、社内で手順を確認しておくことをお勧めします。いざという時に慌てないようにね。

【回答】

並び順は問いませんが、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があります。


また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合については、当該電磁的記録を保存した記憶媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その記憶媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。

【解説】

データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにもかかわらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合には、そのダウンロードの求めに応じることができようにしていたことにはなりません(取扱通達4ー14参照)。保存時に満たすべき要件を充足するためには、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがあるわけ ではありません。


なお、「ダウンロードの求め」は、記憶媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、税務職員が質問検査権に基づ いて記憶媒体の確認を行う場合もあります。


出所:国税庁