

先生、ちょっと複雑な質問を受けたんですが...全国に事業所がある法人のお客様で、各事業所ごとに帳簿書類を作成・保存しているそうなんです。
はい、よくあるケースですね。
その場合、過去分重要書類のスキャナ保存の適用届出書って、各事業所の所長が、それぞれの事業所の所在地を管轄する税務署に提出できるんでしょうか?
いい質問ですね。答えはノーです。各事業所の長が提出することはできません。
えっ、そうなんですか?各事業所で書類を管理しているのに?
そこがポイントなんです。電子帳簿保存法では、適用届出書を提出できるのは「保存義務者」だけと決まっているんですよ。
保存義務者...法人税法では誰が保存義務者になるんでしたっけ?
法人税に関する国税関係帳簿書類の保存義務者は、法人そのものです。各事業所の長ではありません。
なるほど!つまり、実際に書類を保管している場所は事業所でも、法律上の義務者は法人本体ということですね。
その通りです。例えば、東京に本店があって、大阪と名古屋に支店がある会社を考えてみましょうか。
はい、お願いします。
大阪支店や名古屋支店で作成・保存している書類があっても、適用届出書を提出できるのは法人自体。つまり会社そのものなんです。
じゃあ、提出先の税務署も本店の所轄税務署になるんですか?
正解です!提出先は「納税地等の所轄税務署長」と決まっていて、法人の納税地は原則として本店または主たる事務所の所在地ですからね。
さっきの例だと、東京の本店所在地を管轄する税務署ということですね。
そういうことです。大阪支店長が大阪の税務署に、名古屋支店長が名古屋の税務署に...というのは認められないんです。
実務的に考えると、各事業所で保存している書類の情報を本店でまとめて届け出る形になるんですね。
その通り。だから事前に各事業所と本店でしっかり連携して、どの書類をスキャナ保存するのか整理しておく必要があります。
もし各事業所の所長が勝手に届出を出しちゃったらどうなるんですか?
提出主体が間違っているので、適用届出書として認められません。後でトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。
分かりました!お客様には「法人として本店所在地の税務署に提出してください」とお伝えします。
完璧です。各事業所で実際に作業するとしても、届出は法人本体が一括して行う。これが大原則ですからね。
全国展開している企業ほど、この点を間違えやすそうですね。しっかり説明します!
そうですね。組織が大きいほど、提出主体と提出先の整理が重要になります。気をつけて対応してください。
法人自体が、本店所在地の所轄税務署長に対して過去分重要書類の適用届出書を提出する必要があります。
法人税に係る国税関係書類については、これを事業所の所在地に保存することも認められています(法人税法施行規則59@、同67A)が、@電子帳簿保存法では、適用届出書の提出主体を保存義務者とし(規則2H)、また、その保存義務者を「国税に関する法律の規定により……保存をしなければならないこととされている者」と定義している(法2四)こと、一方、A法人税法では、法人税に係る国税関係帳簿書類の保存義務者を法人自体としていること(法人税法126@及び150の2@)から、各事業所の長は保存義務者には該当しません。
また、適用届出書は、納税地等の所轄税務署長等に対して提出する必要があり(規則2H)、この場合の「納税地等」については、「保存義務者が、国税関係帳簿書類に係る国税の納税者(国税通則法第2条第5号に規定する 納税者をいう。)である場合には当該国税の納税地をいい……」と定義されています(規則1A二)。
したがって、法人税に係る国税関係書類を各事業所に保存することとしている場合であっても、それに係る規則第2条第9項の適用届出書は、その法人自体が、その法人の法人税法上の納税地(本店又は主たる事務所の所在地)の所轄税務署長に対して提出する必要があります。
出所:国税庁
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