スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録は、どのように取り扱われるのですか。

スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録は、どのように取り扱われるのですか。

問59 スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録は、どのように取り扱われるのですか。

 

おはようございます。今日はスキャナ保存について質問があるそうですね。


 

はい、先生。クライアント企業でスキャナ保存を導入しているんですが、もし要件を満たさずに保存していた場合、どう取り扱われるのか心配で…


 

それは重要なポイントですね。結論から言うと、要件を満たさない電磁的記録は、各税法上の保存書類として認められません。


 

え、認められないんですか?でも一応スキャンはしているわけですよね?


 

そうなんです。電子帳簿保存法では、法第4条第3項後段の規定で保存していても、要件を満たしていなければ国税関係書類とはみなされないんです。これが法8条1項で定められています。


 

具体的にどんな影響があるんでしょうか?


 

例えば、請求書をスキャナ保存していて、要件不備で認められなかったとします。そして紙の原本も既に廃棄していた場合、仕入税額控除が否認される可能性があります。


 

仕入税額控除が使えないと、消費税の負担が増えてしまいますね…他にもリスクはありますか?


 

はい、最悪の場合青色申告の承認取消しもあり得ます。ただし、これは機械的に取り消されるわけではありません。


 

どういう基準で判断されるんですか?


 

保存義務の不履行の程度、記帳状況、改善可能性などを総合的に見て、「真に青色申告するにふさわしくない」と認められるかを検討します。一度のミスですぐに取り消されるわけではないということです。


 

少し安心しました。でも、もし要件を満たせていなかったことに気づいたら、どうすればいいですか?


 

まずはその原因や経緯をまとめて記録しておくことが重要です。タイムスタンプの付与漏れなのか、解像度の問題なのか、検索要件の不備なのか、原因を明確にしておきましょう。


 

なるほど。事前に防ぐにはどうしたらいいでしょう?


 

定期的なチェック体制が大切ですね。特にタイムスタンプの付与、解像度200dpi以上の確認、検索機能の整備など、基本要件を月次でチェックするのがおすすめです。


 

わかりました。クライアントにもしっかり説明して、チェック体制を整えるようアドバイスします!


 

その姿勢が大事です。スキャナ保存は便利ですが、要件を守ってこそ効力を発揮しますからね。

【回答】

スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録については、各税法上の保存書類としては取り扱われません。

【解説】

スキャナ保存の要件を満たして保存が行われていない電磁的記録については、法第4条第3項後段の規定により保存が行われている場合であっても、その電磁的記録は国税関係書類とはみなされないこととなります(法8@)。


そのような場合には、スキャナ保存に係る国税関係書類(紙原本)の保存がある場合を除き、仕入税額控除の否認や青色申告の承認の取消しがされる可能性があります。ただし、青色申告の承認の取消しについては、当該保存義務の不履行の事実及びその程度のほか、記帳状況、改善可能性等を総合勘案の上、真に申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうか等を検討した上、その適用を判断しています。


なお、スキャナ保存の要件を満たして保存ができなかった場合には、その原因等をまとめておくことが望ましいと考えられます。


出所:国税庁