タイムスタンプの代替要件として他者が提供する一定のクラウドサーバを利用してスキャナ保存を行っていますが、現在利用している旧サービスから新たなサービスに移行したい場合、どのような対応をすればいいですか。

タイムスタンプの代替要件として他者が提供する一定のクラウドサーバを利用してスキャナ保存を行っていますが、現在利用している旧サービスから新たなサービスに移行したい場合、どのような対応をすればいいですか。

問64 タイムスタンプの代替要件として他者が提供する一定のクラウドサーバを利用してスキャナ保存を行っていますが、現在利用している旧サービスから新たなサービスに移行したい場合、どのような対応をすればいいですか。

 

先生、クライアントから相談があったのですが、今使っているクラウドサービスから別のサービスに移行したいそうなんです。タイムスタンプの代わりにクラウドサーバを使ってスキャナ保存をしているんですが、どうすればいいでしょうか?


 

よくある質問だね。電子帳簿保存法では、データの非改変性が継続して確保されていることが何より重要なんだ。単純にデータをコピーするだけじゃダメなんだよ。


 

非改変性の確保ですか。具体的にはどんなことをすればいいんですか?


 

移行時には3つのポイントがある。まず1つ目は、スキャナデータ本体だけじゃなく、保存した時刻、それから改変されていないことを証明する情報、これら全てを改変せずに移行することだね。


 

なるほど。データだけじゃなくて、保存時刻の情報も一緒に移さないといけないんですね。


 

そうそう。例えば、2023年10月15日に保存した請求書のスキャンデータがあったとする。新しいシステムに移行した後も、この「2023年10月15日に保存された」という情報が正確に残っていないといけないんだ。


 

2つ目のポイントは何ですか?


 

タイムスタンプの代替要件を使っていた場合、移行データに正式なタイムスタンプを付与する必要がある。これは重要だよ。


 

あ、そうか。クラウドサーバで代替していたものを、移行時には正式なタイムスタンプに切り替えるということですね。


 

その通り。旧システムでは「他者が提供するクラウドサーバ」という環境で非改変性を担保していたけど、移行中はその環境から出てしまうからね。だから移行時点でタイムスタンプを押して、「この時点で確かにこのデータが存在していた」ことを証明するわけだ。


 

3つ目は何でしょうか?


 

仕様書の作成だね。移行するデータの内容や構造を整理した仕様書を作成して、移行先に渡す必要がある。これがないと、データが全部移行されたかどうか確認できないからね。


 

具体的にはどんな内容を記載するんですか?


 

例えば、「請求書データ5,000件、領収書データ3,000件、契約書データ500件」といった件数の情報や、ファイル形式、フォルダ構造、メタデータの種類なんかを明記する。移行前と移行後で同じ件数があることを証明できるようにするんだ。


 

結構大変そうですね。何か参考になる資料はありますか?


 

JIIMA、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が「電帳法スキャナ保存におけるデータポータビリティガイドライン」というものを公開しているよ。タイムスタンプ付与代替要件でのデータ移行について詳しく書かれているから、必ずチェックするように伝えてあげて。


 

わかりました。つまり移行時の流れとしては、まず仕様書を作って、データにタイムスタンプを付与して、非改変性を保ったまま新システムに移す、という順番ですね。


 

その理解で合っている。あと重要なのは、旧システムのデータ保存時刻が、NTPサーバと同期していて客観的に正確だったことを証明できるようにしておくこと。これが電子帳簿保存法のタイムスタンプ代替要件の前提だからね。


 

クライアントにはサービス提供会社とよく相談して、これらの対応ができるか確認してもらったほうがいいですね。


 

まさにその通り。クラウドサービスの移行は技術的な問題だけじゃなくて、法令要件を満たすための手続きでもあるから、事前準備をしっかりやることが大切だよ。

【回答】

旧システムに保存しているスキャナデータを新システムに移行(データ移行)する場合には、旧システムに保存しているスキャナデータだけでなく、スキャナデータを保存した時刻と、それ以降に改変されていないことの証明に必要な情報についても、データ移行の前後でこれらの全てが改変されていないことを確保した状態で 新システムへのデータ移行を行う必要が あります。


したがって、旧システムにおいて、タイムスタンプ付与代替要件を適用してスキャナ保存の要件を満たしている場合には、移行データにタイムスタンプを付与するなどの対応をする必要があります。


また、移行先にデータを渡す際には、移行すべきデータがすべて含まれていること、及びどのようなデータ構造になっているのかをまとめておく必要がありますので、移行データの内容や構造等を整理した仕様書等を作成 し、渡す必要があることにも留意してください。


なお、電子帳簿保存法に沿った適切なデータ移行を行うための方法については、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)において、その考え方や移行時に特に注意すべきポイントを『電帳法スキャナ保存におけるデータポータビリティガイドライン〜タイムスタンプ付与代替要件で確保されたデータの移行について〜(第 1.0 版)』としてまとめ、そのホームページに掲載しています。 当該ガイドラインは、移行元・移行先の双方のサービスでタイムスタンプ付与代替要件を適用していることを前提に作成されたものですが、その考え方についてはスキャ ナ保存のシステム移行全般に共通する部分も多いものとなっていますので、参考としてください。


出所:国税庁