問57 当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。適格請求書等保存方式の下でも仕入明細書を保存することによって、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすそうですが、相手方への確認は、どのように行えばよいですか。

【答】
仕入税額控除の適用を受けるための請求書等に該当する仕入明細書等は、相手方の確認を受けたものに限られます(新消法30H三、インボイス通達4−6)。

 

この相手方の確認を受ける方法としては、例えば、
@仕入明細書等の記載内容を、通信回線等を通じて相手方の端末機に出力し、確認の通信を受けた上で、自己の端末機から出力したもの
A 仕入明細書等に記載すべき事項に係る電磁的記録につきインターネットや電子メールなどを通じて課税仕入れの相手方へ提供し、相手方から確認の通知等を受けたもの
B 仕入明細書等の写しを相手方に交付し、又は仕入明細書等の記載内容に係る電磁的記録を相手方に提供した後、一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする基本契約等を締結した場合におけるその一定期間を経たもの
があります。

 

なお、Bについては、
・仕入明細書等に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」旨の通知文書等を添付して相手方に送付し、又は提供し、了承を得る。
・仕入明細書等又は仕入明細書等の記載内容に係る電磁的記録に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」といった文言を記載し、又は記録し、相手方の了承を得る。

 

といったように、仕入明細書等の記載事項が相手方に示され、その内容が確認されている実態にあることが明らかであれば、相手方の確認を受けたものとなります。

 

(参考)現行においても、仕入れを行った者が作成する仕入明細書等の書類で、一定事項が記載されており、相手方の確認を受けたものについては、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等に該当します。

 

ただし、適格請求書等保存方式の下で請求書等に含まれる仕入明細書と現行の請求書等に含まれる請求書等の記載事項は異なりますので、ご注意ください。

 

○ 仕入明細書等の記載事項の比較(消法30H二、28年改正法附則34A、新消令49C)

請求書等保存方式

(現行制度)

区分記載請求書等保存方式

(令和元年10月1日から

令和5年9月30日までの間)

適格請求書等保存方式

(令和5年10月1日から)

@ 書類の作成者の氏名又は名称
A 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
B 課税仕入れを行った年月日
C 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
D 課税仕入れに係る支払対価の額
@ 書類の作成者の氏名又は名称
A 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
B 課税仕入れを行った年月日
C 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨
D 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額
@ 書類の作成者の氏名又は名称
A 課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
B 課税仕入れを行った年月日
C 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
D 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
E 税率ごとに区分した消費税額等
(注) 区分記載請求書等保存方式の下では、これまで(軽減税率制度の実施前)の仕入明細書等の記載事項に下線(ピンク)部分が追加されます。
適格請求書等保存方式の下では、区分記載請求書等の下での仕入明細書等の記載事項に下線(シアン)部分が追加・変更されます。

 

 

出所:国税庁

 

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