問2 適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続で行うのですか。【令和3年7月改訂】

【答】
適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者(登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます。)は、納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出する必要があります(新消法57の2A、インボイス通達2−1)。

 

登録申請書は、適格請求書等保存方式の導入の2年前である令和3年10月1日から提出することができます(28年改正法附則1八、44@)。登録申請書は、e-Taxを利用して提出できますので、ぜひご利用ください(個人事業者はスマートフォンでも手続が可能となります。)。なお、郵送等により登録申請書を提出する場合の送付先は、各国税局のインボイス登録センターとなります。

 

登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を通知することとされています(新消法57の2BCDF)。

 

また、適格請求書発行事業者の情報は、国税庁ホームページ「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年10月運用開始予定)において公表されます。
なお、免税事業者が登録を受ける場合の手続については、問8《免税事業者が令和5年10月1日の属する課税期間中に登録を受ける場合》をご参照ください。

 

 

(参考1)「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年10月運用開始予定)で公表される事項は次のとおりです。
(1)法定の公表事項(新消法57の2CJ、新消令70の5@)

@

適格請求書発行事業者の氏名(*)又は名称

A

法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地

B

特定国外事業者(国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを国内に有しない国外事業者をいいます。以下同じです。)以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地

C

登録番号

D

登録年月日

E

登録取消年月日、登録失効年月日

(*

個人事業者の氏名について、「住民票に併記されている外国人の通称」又は「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を氏名として公表することを希望する場合又はこれらを氏名と併記して公表することを希望する場合は、登録申請書と併せて、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」をご提出ください。

(2)本人の申出に基づき追加で公表できる事項
 次の@、Aの事項について公表することを希望する場合には、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申   出書」をご提出ください。

@

個人事業者の「主たる屋号」、「主たる事務所の所在地等」

A

人格のない社団等の「本店又は主たる事務所の所在地」

 

(参考2)e-Taxを利用した登録申請手続及び各国税局のインボイス登録センターの所在地については、国税庁ホームページ「インボイス制度特設サイト」の「申請手続」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_shinei.htm)をご参照ください。

 

 

出所:国税庁

 

新消費税法より抜粋 【施行予定日:令和5年10月1日】

新消費税法57の2

 

(適格請求書発行事業者の登録等)

 

第五十七条の二 国内において課税資産の譲渡等を行い、又は行おうとする事業者であつて、第五十七条の四第一項に規定する適格請求書の交付をしようとする事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、税務署長の登録を受けることができる。

 

2 前項の登録を受けようとする事業者は、財務省令で定める事項を記載した申請書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。この場合において、第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者が、同項本文の規定の適用を受けないこととなる課税期間の初日から前項の登録を受けようとするときは、政令で定める日までに、当該申請書を当該税務署長に提出しなければならない。

 

3 税務署長は、前項の申請書の提出を受けた場合には、遅滞なく、これを審査し、第五項の規定により登録を拒否する場合を除き、第一項の登録をしなければならない。

 

4 第一項の登録は、適格請求書発行事業者登録簿に氏名又は名称、登録番号その他の政令で定める事項を登載してするものとする。この場合において、税務署長は、政令で定めるところにより、当該適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項を速やかに公表しなければならない。

 

5 税務署長は、第一項の登録を受けようとする事業者が、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事実に該当すると認めるときは、当該登録を拒否することができる。
一 当該事業者が特定国外事業者(国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを国内に有しない国外事業者をいう。次号及び次項において同じ。)以外の事業者である場合 当該事業者が、この法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。
二 当該事業者が特定国外事業者である場合 次に掲げるいずれかの事実
イ 消費税に関する税務代理(税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条第一項第一号(税理士の業務)に掲げる税務代理をいう。次項第二号ハにおいて同じ。)の権限を有する国税通則法第七十四条の九第三項第二号(納税義務者に対する調査の事前通知等)に規定する税務代理人がないこと。
ロ 当該事業者が、国税通則法第百十七条第一項(納税管理人)の規定による納税管理人を定めていないこと。
ハ 現に国税の滞納があり、かつ、その滞納額の徴収が著しく困難であること。
ニ 当該事業者が、次項の規定により第一項の登録を取り消され(次項第二号ホ又はヘに掲げる事実のいずれかに該当した場合に限る。)、その取消しの日から一年を経過しない者であること。
ホ 当該事業者が、この法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。

 

6 税務署長は、次の各号に掲げる適格請求書発行事業者が当該各号に定める事実に該当すると認めるときは、当該適格請求書発行事業者に係る第一項の登録を取り消すことができる。
一 特定国外事業者以外の事業者である適格請求書発行事業者 次に掲げるいずれかの事実
イ 当該適格請求書発行事業者が一年以上所在不明であること。
ロ 当該適格請求書発行事業者が事業を廃止したと認められること。
ハ 当該適格請求書発行事業者(法人に限る。)が合併により消滅したと認められること。
ニ 当該適格請求書発行事業者がこの法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたこと。
二 特定国外事業者である適格請求書発行事業者 次に掲げるいずれかの事実
イ 当該適格請求書発行事業者が事業を廃止したと認められること。
ロ 当該適格請求書発行事業者(法人に限る。)が合併により消滅したと認められること。
ハ 当該適格請求書発行事業者の第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限までに、当該申告書に係る消費税に関する税務代理の権限を有することを証する書面(税理士法第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)に規定する書面をいう。)が提出されていないこと。
ニ 当該適格請求書発行事業者(国税通則法第百十七条第一項の規定の適用を受ける者に限る。)が同項の規定による納税管理人を定めていないこと。
ホ 消費税につき国税通則法第十七条第二項(期限内申告)に規定する期限内申告書の提出がなかつた場合において、当該提出がなかつたことについて正当な理由がないと認められること。
ヘ 現に国税の滞納があり、かつ、その滞納額の徴収が著しく困難であること。
ト 当該適格請求書発行事業者がこの法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたこと。

 

7 税務署長は、第一項の登録又は前二項の処分をするときは、その登録又は処分に係る事業者に対し、書面によりその旨を通知する。

 

8 適格請求書発行事業者は、第四項に規定する適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があつたときは、その旨を記載した届出書を、速やかに、その納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

 

9 税務署長は、前項の規定による届出書の提出を受けた場合には、遅滞なく、当該届出に係る事項を適格請求書発行事業者登録簿に登載して、変更の登録をするものとする。この場合において、税務署長は、政令で定めるところにより、当該変更後の適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項を速やかに公表しなければならない。

 

10 適格請求書発行事業者が、次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める日に、第一項の登録は、その効力を失う。
一 当該適格請求書発行事業者が第一項の登録の取消しを求める旨の届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出した場合 その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日(その提出が、当該課税期間の末日から起算して三十日前の日から当該課税期間の末日までの間にされた場合には、当該課税期間の翌課税期間の末日の翌日)
二 当該適格請求書発行事業者が事業を廃止した場合(前条第一項の規定により同項第三号に掲げる場合に該当することとなつた旨を記載した届出書を提出した場合に限る。) 事業を廃止した日の翌日
三 当該適格請求書発行事業者である法人が合併により消滅した場合(前条第一項の規定により同項第五号に掲げる場合に該当することとなつた旨を記載した届出書を提出した場合に限る。) 当該法人が合併により消滅した日

 

11 税務署長は、第六項の規定による登録の取消しを行つたとき、又は前項の規定により第一項の登録がその効力を失つたときは、当該登録を抹消しなければならない。この場合において、税務署長は、政令で定めるところにより、当該登録が取り消された又はその効力を失つた旨及びその年月日を速やかに公表しなければならない。

 

12 前各項に定めるもののほか、この条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則〔平成二八年三月三一日法律第一五号抄〕より抜粋

28年改正法附則1

 

(施行期日)

 

第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第五条中消費税法第八条の改正規定 平成二十八年五月一日
二 〔略〕
三 次に掲げる規定 平成二十九年一月一日
イ・ロ 〔略〕
ハ 第五条中消費税法第四条の改正規定及び同法第六十二条の改正規定並びに附則第三十三条の規定
ニ〜ト 〔略〕
四〜七 〔略〕
七の二 附則第四十条第三項の規定 平成三十一年七月一日
七の三 次に掲げる規定 平成三十一年十月一日
イ〜ニ 〔略〕
ホ 附則第三十四条から第三十九条まで及び第四十条(第三項を除く。)の規定
八 附則第四十四条及び第四十五条の規定 平成三十三年十月一日
九 次に掲げる規定 平成三十五年十月一日
イ 第五条の規定(同条中消費税法第二条第四項の改正規定、同法第四条の改正規定、同法第八条の改正規定、同法第九条第五項の改正規定、同条第七項の改正規定、同法第十二条の三の次に一条を加える改正規定、同法第十五条第六項の改正規定(「第十二条の三」を「第十二条の四」に改める部分に限る。)、同条第七項の改正規定、同条第十一項の改正規定(「第五十七条」の下に「から第五十七条の三まで」を加える部分を除く。)、同法第三十七条の改正規定、同法第三十七条の二の改正規定、同法第五十七条第一項の改正規定、同法第六十二条の改正規定、同法別表第一第四号イの改正規定(「(別表第二」を「(同表」に改める部分に限る。)及び同表第十二号の改正規定(「別表第二」を「別表第二の二」に改める部分を除く。)を除く。)(附則第四十四条第一項、第五十二条第一項及び第百二十八条の二において「三十五年改正規定」という。)並びに附則第四十六条から第五十三条まで及び第百六十一条の規定
ロ・ハ 〔略〕
ニ 第十八条中所得税法等の一部を改正する法律(平成二十七年法律第九号)附則第三十五条の改正規定、同法附則第三十六条第一項の改正規定及び同法附則第三十八条から第四十条までの改正規定並びに附則第百五十三条の規定
十〜十六 〔略〕

 

28年改正法附則44

 

(適格請求書発行事業者の登録等に関する経過措置)

 

第四十四条 三十五年施行日から平成三十六年三月三十一日までの間のいずれかの日に三十五年改正規定による改正後の消費税法(以下附則第五十三条までにおいて「新消費税法」という。)第五十七条の二第一項の登録を受けようとする事業者は、三十五年施行日前においても、同条第二項の規定の例により、同項の申請書を提出することができる。ただし、三十五年施行日に同条第一項の登録を受けようとする事業者は、三十五年施行日の六月前の日(消費税法第九条の二第一項の規定により同法第九条第一項本文の規定の適用を受けないこととなる事業者にあっては、三十五年施行日の三月前の日)までに、当該申請書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

 

2 前項の規定により新消費税法第五十七条の二第二項の申請書を提出した事業者(次項の規定により同条第三項の規定による登録に係る同条第七項の通知を受けた事業者に限る。)は、当該申請書に記載した事項に変更があったときは、三十五年施行日前においても、同条第八項の規定の例により、同項の届出書を提出しなければならない。

 

3 税務署長は、第一項の規定により新消費税法第五十七条の二第二項の申請書の提出を受けた場合又は前項の規定により同条第八項の届出書の提出を受けた場合には、三十五年施行日前においても、同条第三項から第七項まで及び第九項の規定の例により、同条第三項の規定による登録、同条第四項の規定による公表、同条第五項の規定による登録の拒否、同条第六項の規定による登録の取消し、同条第七項の規定による通知及び同条第九項の規定による登録の変更(以下この項において「登録等」という。)をすることができる。この場合において、これらの規定の例によりされた登録等は、三十五年施行日(同条第一項の登録がされた日(以下この項及び次項において「登録開始日」という。)が三十五年施行日の翌日以後である場合には、当該登録開始日)においてこれらの規定により行われたものとみなす。

 

4 新消費税法第五十七条の二第二項の申請書を提出した事業者(登録開始日が三十五年施行日の属する課税期間中である事業者に限る。)の当該課税期間(その基準期間における課税売上高が千万円を超える課税期間、消費税法第九条第四項の規定による届出書の提出により、又は同法第九条の二第一項、第十条第二項、第十一条第二項から第四項まで、第十二条第一項から第四項まで若しくは第六項、第十二条の二第一項若しくは第二項、第十二条の三第一項若しくは第三項若しくは第十二条の四第一項の規定により消費税を納める義務が免除されないこととなる課税期間及び当該登録開始日の前日までに同法第十条第一項の相続、同法第十一条第一項の合併又は同法第十二条第五項の吸収分割があったことにより消費税を納める義務が免除されないこととなる課税期間を除く。)のうち当該登録開始日から当該課税期間の末日までの間における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、消費税法第九条第一項本文の規定は、適用しない。

 

5 前各項に定めるもののほか、この条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達より抜粋

インボイス通達2−1

 

(登録申請書を提出することができる事業者)

 

2−1 適格請求書発行事業者の登録(法第57条の2第1項《適格請求書発行事業者の登録等》に規定する登録をいう。以下同じ。)を受けることができるのは、課税事業者に限られるのであるが、免税事業者であっても、例えば、次の場合のように、登録を受けようとする課税期間において課税事業者となるときは、法第57条の2第2項《適格請求書発行事業者の登録申請》に規定する申請書(以下「登録申請書」という。)を提出することができることに留意する。
? 免税事業者である事業者が、基準期間における課税売上高が1,000万円超であることにより、翌課税期間から課税事業者となる場合
? 免税事業者である事業者が、法第9条第4項《課税事業者の選択》に規定する届出書(以下「課税事業者選択届出書」という。)を提出し、課税事業者となることを選択する場合
(注) 免税事業者が課税事業者となる課税期間の初日から登録を受けようとするときは、原則として、当該課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに登録申請書を提出しなければならない。

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